縫合糸(両端針)受け渡し時の本数伝達不足による紛失

ヒヤリ・ハット事例

公開日:2023.12.21

縫合糸(両端針)受け渡し時の本数伝達不足による紛失

「1件の重大な事故の背景には29件の軽微な事故があり、さらにその背景には300件のヒヤリ・ハットがある」というハインリッヒの法則をご存知でしょうか。

この「ヒヤリ・ハット事例」特集では、実際に起こった事例をご紹介します。原因や対策を知ることで学びの一助としていただくほか、記事の最後には事故を未然に防ぐための参考となるようなお役立ち情報も添えております。日々の診療のヒントとして、ぜひお役立てください。

(事例の出典:日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業



縫合糸(両端針)受け渡し時の本数伝達不足による紛失

<この事例から学べること>

伝達すべき情報の内容や声掛けをする意味を今一度認識し直し、確実に実施する。

事例概要

※以降、一部表記を除き原文ママ

患者概要

患者 60歳代男性
疾患名:胸部大動脈瘤
影響度
当事者 看護師、医師

事例の内容

腹部大動脈瘤に対してステント留置後に冠動脈2枝吻合していた。
最後に冠動脈補強の為7−0プローリン(両端針)を2パック分使用していた。
持針器と針糸を把持する眼科用クレンメに1針ずつ返却され「針もらいました」と声をかけて1パック分のカウントは問題なかった。
しかし1パック分は返却されず持針器のみ返却され、周辺を当事者は捜索するも発見できず外科医に報告後、すべて返却したとの返答があり針の紛失が発覚した。

その後、発見に至るまで約2時間。透視で発見した。

背景要因

  • 「針もらいました」と声をかけたが何本とは返答していなかった。

改善策

  • 針をもらう時には本数を伝えて受けとる。


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