2025年問題を前に。今後の医師のキャリアはどうなっていく?

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業界動向

公開日:2019.08.14

2025年問題を前に。今後の医師のキャリアはどうなっていく?

2025年問題を前に。今後の医師のキャリアはどうなっていく?

「2025年問題」をご存知でしょうか?日本は世界でも類を見ないほど少子高齢化が進んでいます。人口に対する高齢者の割合が増えていくほどに、病院の需要は大きくなっていく。すると、医師を必要とする病院も増えていくと考えられています。そんな2025年が迫る今。医師の働き方がどのように変わるのか見ていきましょう。

1:2025年問題とは?

「2025年問題」とは、団塊の世代が2025年ごろまでに後期高齢者である75歳以上になり、介護費や医療費などの社会保障費が急増することで起こる様々な問題です。1947年から1949年生まれのいわゆる団塊の世代は800万人にのぼると言われています。2025年には、現代の後期高齢者と合わせると、2200万人ほどが後期高齢者になると予想されているのです。日本の人口が減少傾向であることを考えたとしても、人口の15%強が75歳以上になるでしょう。 後期高齢者が増えることにより、病気や怪我などで病院にかかる患者も増えると見込まれています。患者数が増えるということは、それだけ医師の数も必要になるということです。それに伴い、医師の働き方も大幅に変わると考えられています。

一体、医師の働き方はどのように変化するのでしょうか?以下ことが予想されています。

2:医師の働き方の変化

1、医師全体の需要の増加

後期高齢者が増えると、病気や怪我などで病院にかかる患者が増えていきます。一方で、医師の数は少子化により少なくなっていくと見込まれています。つまり、需要に対して医師の数が不足し、医師全体の需要が増加する可能性があるのです。医学部の新設など医師を増やす施策は行われていますが、それを超えるスピードで医師が求められる時代が来るかもしれません。

需要の高まりは、給与アップに繋がっていくでしょう。医療や福祉の分野は日本国内における成長産業であるため、医師の待遇が改善される可能性があります。ただし反対に、医療費の増大により保険点数の引き下げが起こるかもしれません。すると、医師の人件費が減らされて、給与が下がることも考えられるでしょう。

医師の中でも、特に内科医の需要が増大すると考えられます。後期高齢者の場合、心筋梗塞や脳血管疾患などの急性疾患よりも、いくつもの生活習慣病が複合した慢性疾患の需要が多いためです。この治療は総合的なコントロールが必要であることから、内科医のサポートが欠かせないものとなるでしょう。内科医は外科医と比べて報酬が少ない傾向にありますが、それが解消されるかもしれません。

2、地域医療への参画

すでに高齢化が進んでいる地方でも、医療の充実は大きな課題です。そのため、都市部にある病院が、地方医療の改善を行うことも考えられるでしょう。

都市部は人口数が多いため求人数は多いのですが、希望者も多くすぐに充足します。一方で、地方は求人数が多いものの医師の数は少ないです。そのため、都市部よりも好条件を提示されることがあります。高額なオファーに地方に働きに出る医師が増える可能性はあるでしょう。

3、専門医の取得がほぼ必須に

日本の医療・福祉分野は年々市場が高まっており、いまや一大産業となっています。2020年には26兆円規模の市場が、2030年には37兆円規模まで成長するとも考えられているのです。さらに今後は、海外の患者も受け入れる動きもあるため、医師の数だけでなく医師の質も重視されるようになるでしょう。

医師の質を重視する動きは他にもあります。「新専門医制度」が始まるなど、十分な知識や経験を積むことで、質を高めていくことが医師の需要な指針となっているのです。一部の定期非常勤医や開業医は、専門医の取得と維持が困難なので除外されるかもしれません。しかし、常勤医として働くのであれば、専門医の取得見込みが必須要件になることも考えられるでしょう。

4、グローバル化する医療

現代社会はグローバル化が進んでいます。同じく、医療もグローバル化することが考えられるでしょう。現在は、アジアの一部諸国でのみ日本の医師免許が使えますが、これからは使える国の数が増えて様々な場所で働くことができるようになるかもしれません。もちろん、英語をはじめとした語学が必要になるため日本で働くよりも高いハードルが待ち受けているでしょう。しかし海外で活躍したい医師が思い通りのキャリアを積める可能性があるのです。

また、日本の医療を受けに来る外国人が増えるとも予想されています。将来的には、英語と中国語ができる医師が重宝され、採用時に優遇されることもあるでしょう。現在、医学部に通う学生は、医療のみならず外国語も重点を入れて勉強していくとよいでしょう。

ドクタービジョン編集部

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