医師が非常勤・アルバイトで働く理由とは?

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働き方

公開日:2019.04.23

医師が非常勤・アルバイトで働く理由とは?

医師が非常勤・アルバイトで働く理由とは?

医師の非常勤医という働き方は、「アルバイト」もしくは「フリーランス」のような働き方です。常勤医よりも時間などの制約が少ない半面、福利厚生などはありません。医師が常勤医ではなく、非常勤医を選ぶ理由にはどんなものがあるでしょうか?

1:非常勤医のメリット

医師が非常勤やアルバイトで働く理由を考えてみる上で、まずは働き方のメリットを見ていきましょう。

①激務を避けることができる

医師は多かれ少なかれ、どんな診療科でも激務になります。勤務している病院にどれくらい医師が在籍していて、シフトを回せるかどうかにもよりますが、ワークライフバランスがよいとは言えない職でしょう。

非常勤医は、勤務先や就業条件にもよりますが基本的に当直やオンコールを対応する必要がないため、ワークライフバランスの改善が望めます。残業は日によっては発生することもありますが、基本的に病院側ができるだけしないように配慮をしてくれます。このように激務を避けるという意味では非常勤医の働き方は有効です。

②給与水準の高さ

求人サイトを見ると、常勤医よりも非常勤医の方が高い水準の給与となっていることが多いです。例えば麻酔科医の場合、非常勤の麻酔科医は常勤医よりも給与水準が高いことが多いです。麻酔科医の年収は1800万円から2000万円ほどとなりますが、年収1800万円を勤務日である年間240日で割ると日給7.5万円ほどに換算されます。

一方で非常勤の麻酔科求人だと、東京都内で8-10万円ほど、少し地方に出ると12-15万円ほどになります。日給換算では常勤医よりも30%以上、高くなる計算になります。勤務時間自体も常勤医より短いため、コスパがよい働き方と言えるかもしれません。

2:非常勤医のデメリット

これだけ聞けば非常勤医にはメリットしかないように思えます。給与も高くワークライフバランスが改善されるなら言うことはありません。しかし非常勤医にもデメリットはありますので、ご紹介します。

①社会的信用

非常勤医は、就業形態としてはアルバイトと変わりありません。そのため常勤医と比べて社会的信用は低くなる傾向があります。普段、社会的信用というのはあまり実感することがありませんが、金融機関で融資を受ける際には重要になります。住宅ローンを組んだり、開業資金を借入したりするときに不利に働く可能性が出てきます。

②雇用が安定しない

非常勤医は、イメージとしては常勤が足りていないことが原因による臨時の雇い入れです。そのため常勤医が充足してしまえば、雇用契約も打ち切られてしまうことがあります。場合によってはあと一か月のみの勤務と告知されてしまうこともあるため、常勤医の充足の有無で振り回されてしまうこともあるでしょう。

③福利厚生などがない

非常勤医は常勤医(正職員)ではないため、福利厚生がありません。例えば有給休暇がないため、急な体調不良に陥ったら欠勤ということになります。給与がその日給分減ってしまうので、労働日数次第では経済的に厳しくなってしまうことがあります。また年金も国民年金であるため、将来的に貰える年金は少なくなります。退職金もないため、自分でコツコツと資産を増やしていくことが必要になります。

3:非常勤医として働く是非とは

このように非常勤医として働くスタイルは、メリットとデメリットがあります。たとえば50代になり住宅ローンもほぼ返済し終え、医師としての激務な生活ではなく家族とのプライベートを重視したいという医師にとっては、非常勤医は魅力的な働き方です。家族との時間も増えますし、多少働く日数を減らしても十分な報酬を受け取ることができます。

反対に子どもが生まれ、これから学費などが必要になってくる医師ならば、非常勤医より常勤医のほうが向いていることが多いでしょう。雇用も安定しており、年金も厚生年金のため、老後の不安があまりないこと、社会的地位が高いため住宅ローンや学費ローンが通りやすいことが理由となります。

非常勤医として働くことが向いているかどうかは個々人のライフスタイルによります。まずはそれぞれの働き方によるメリットとデメリットを把握するようにしましょう。

ドクタービジョン編集部

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