子どもを医学部に?息子さん・娘さんを医者にするために必要なことは?

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公開日:2018.02.14

子どもを医学部に?息子さん・娘さんを医者にするために必要なことは?

子どもを医学部に?息子さん・娘さんを医者にするために必要なことは?

「将来息子(または娘)を医者にしたい!」と考える方は、具体的な方法や費用など詳しい事情をご存知でしょうか。医者の仕事は「高収入でステータスが高い」まさに憧れの職業ですが、何も考えずただ勉強していればなれるわけではありません。

ご自身の息子さん・娘さんを医者にするためには、早いうちから医者を目指す計画を立てて準備をしていく必要があります。

今回は子どもを医者にするための医学部進学までの道のりや、必要な準備・教育について詳しく解説していきます。

子どもを医者にするために必要なこととは?

「自分の子どもを医者にしたい」 と考える方がまず頭に入れておくべきことは、医者になるためにどういったルートで医学部進学を目指すのか、具体的な方法を理解しておく必要があります。ここから詳しく解説していきます。

医者になるためには?

まず、 医者になるためには医師免許の取得が必要となります。医師免許を取得するためには、医学部のある大学または医科大学に進学しなければなりません。

医師免許取得までの流れは、まず医学部のある大学または医科大学に進学し、そこで必要な基本的な知識を6年間で学ぶことになります。そして医師免許取得の国家試験を受けます。国家試験の合格率は90%と言われています。よほど大学で勉強をしないなどでなければ、ほぼ合格するはずです。国家試験合格後、大学病院などで2年間研修医として勤め、その後晴れて医師となることができます。

しかし、医師になること以前に、医学部のある大学や医科大学に合格することも 決して簡単なことではありません。医学部のある大学は、通常の大学と比べて入試レベルがはるかに高いので、少し勉強しただけで入れるようなところではありません。どんなに低い偏差値でも60以上は必要となります。

医学部や医科大を目指すのはいつ頃から?

将来医者になりたい息子さんが医学部に進学するためには、いつ頃から計画し始めるべきなのでしょうか。

一般的に大学への進学を考えるのは高校に入ってからなので、「大学受験の直前から考え出せばよいのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし医学部へ進学するためには、学校の勉強だけでは合格はとても難しいでしょう。どんなに偏差値の低い医学部でも偏差値60以上は必要です。また、国公立の大学医学部を目指す場合は、センター試験も受ける必要があるため、理系の学力だけでなく文系の学力も相当に必要になります。本当に合格を目指すのであれば予備校や塾へ通わせることをおすすめします。また、私立大学の医学部を希望する場合は、大学によって試験が変わってきますのでその大学に応じた勉強方法が必要になります。そのため、行きたい大学の合格率が高い予備校を選ぶことが合格への近道となるでしょう。

このように単純に医者になりたいと思ってもどこの大学に行きたいのかによって、予備校選びや勉強の範囲も変わってくるので、高校に入ってからすぐにでもどこの大学に行きたいのかは決めておく必要があります。

医者になるには余裕を持った準備が必要

医学部への進学を目指すための準備は、勉強面だけではありません。受験をするためにあらゆる面で費用がかかるため、経済的な負担も事前に計算しておく必要があります。

具体的な例を挙げると、受験勉強のために予備校に通うための費用などです。医学部に入るためには学校の勉強だけでは足りないので、予備校や塾に通って知識を補う必要が出てきます。この塾や予備校などに通う費用も、どれくらいかかるのかを事前に計算して準備しておく必要があります。医学部専門の予備校もあり、それ相応のノウハウがあるので合格率は上がりますが、通常の予備校よりも月謝が高いことが多いです。

また受験だけに限らず、医学部に合格した後も、入学金や6年間の学費を考えるとかなり高額となります。国公立では約5,000万円、医科大に関しては5,000万円から1億円とも言われています。

そのため、勉強面だけでなく、経済的な面も含めて早いうちから計画を立て準備していくことも大事になるのです。このように、子どもが医者を目指すのであれば、勉強面のサポートでだけでなく、自分たちが費用面でも計画的な準備ができるかどうかもしっかり考えて進めていきましょう。

子どもを医者にするためのルートとは

子どもを医者にするためには 医学部や医科大学へ進学させることが必須だとお話ししましたが、今の子どもの偏差値では難しいかもしれない、費用面で叶えてあげることが難しいかもしれないということがあるかもしれません。そういった場合でも、実は他のルートで医者を目指すことが可能です。

地域限定の推薦入試がある医学部を受験する

大学の医学部の中には、地元の学生限定で推薦入試を行っていることがあります。医師不足に困っている地方の国公立大学が地元の学生に限定し推薦入試を行っています。ただし、医師免許を取得した後はもちろんその大学に関係する地元の病院に勤務することになります。しかし、通常の入試よりも入試レベルや競争率が低くなっているので、比較的合格しやすくなっています。まずはお住いの地域の大学医学部の入試情報を調べてみてはいかがでしょうか。

条件付きで学費の免除もある医科大学への進学

ある地域の医科大学では、医師の少ない地域や地方住民の福祉の増進を図ることを目的としており、学費は学校からいったん借りるというシステムで卒業後に医師になってから返済していくという形を取っている大学もあります。通常の大学の奨学金制度に似ています。学費は通常の私立大学の医学部とあまり変わらないので家計に少し余裕が持てるかもしれません。また、先ほど書いたように医師に少ない地域などの指定された病院に一定期間勤めると学費の返済が全額免除されることもあります。ただし、入試は相当ハードルも高く、偏差値68以上で現役合格率も40%ですのでかなりの難関と言えます。

給料をもらいながら医者を目指す

防衛医科大学校に入校し、医師としての下積みを自衛隊の中で行っていく方法もあります。防衛医科大学校であれば授業料は免除される上、在学中でも公務員となるため給料が支払われます。ただし、自衛隊の関連の病院や各部隊の医務室の医師になるための大学なので、自衛隊同様規律は厳しく全員寮生活となります。また、授業の出席は勤務と同様の扱いで義務となります。医師免許取得後は、決められた勤務先への勤務義務があります。また、偏差値も非常に高く68以上ないと入学は難しいでしょう。

社会人になってからも医者は目指せる

ここまで高校までには進路を決めて、受験に臨んだほうがいいと書いてきましたが、自分の夢はいつできるものなのかはわかりません。合格率は決して高いほうではありませんが、他の学部を卒業してから医学部に入学する方法もあります。

国公立大学の一部の医学部では「学士編入学」という制度があり、いったん大学を卒業した社会人でも受けることができます。もちろん理系の知識は必要なところがほとんどですが、一部の大学では文系学部を卒業した卒業生でも合格できることがあるそうです。試験で理系の問題が出なくても、入学後は相応の理系の勉強を人一倍しなくてはいけないので医者の道はやはり厳しいものと言えるでしょう。

医学部合格は両親のサポートが重要

子どもを医者にするためには、 本人のがんばりだけでなく両親のサポートもとても重要になってきます。医者になるために、子どもは何を勉強しなければならないのか、 またどういった勉強方法が必要なのかどこで医者になるために学ぶのかなど情報収集しなければなりません。

ほとんどの子どもは自ら情報収集をするのは難しいことですし、勉強に集中しなければならないので、両親が全面的にサポートしてあげることが大切です。

その他、勉強のストレスに対するメンタル面のケアなど、両親がやるべきことはたくさんあります。お子さんが医者になるために必要な勉強に集中できるように、環境を整えていくバックアップが両親の役割となります。

早いうちから医学部合格に向けた準備を

イレギュラーな医者になる方法もご紹介しましたが、本来であれば早いうちから大学の医学部や医科大を目指すのが一番です。早い時期から計画を立て、必要な準備を進めていきましょう。医者になることを決める時期は早いに越したことありません。

医学部に入るための勉強は、 「やりなさい」と言ってすぐできるようなものではありませんので、小さい頃から勉強をすることの基礎を固めておくことも大事です。勉強に伴う費用や、生活面でのケアについても早いうちから想定し準備をすすめていくようにしましょう。

ドクタービジョン編集部

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