30代医師のキャリアプラン

医師がキャリアや働き方を考える上で参考となる情報をお届けします。
医療業界動向や診療科別の特徴、転職事例・インタビュー記事、専門家によるコラムなどを日々の情報収集にお役立てください。

キャリア

公開日:2019.08.14

30代医師のキャリアプラン

30代医師のキャリアプラン

医学部を卒業した後、初期研修後期研修を行い、ある程度の実務経験を積むと30歳となります。そういった意味では30歳は医師として中堅のステージに入った状態と言えます。早い人では30代前半で専門医を取得するため、医師としてさらなる飛躍が期待される年代です。それと同時に結婚や出産、育児などライフステージも変化しやすいのが30代という年齢です。男性医師、また特に女性医師に重要なキャリア選択の岐路が現れます。30代の医師はどのようなキャリアプランを構築するのでしょうか?

1:医局を退局するかどうかの決断

以前はほとんどの研修医は医局に在籍していましたが、今ではその影響力も低下し研修医の7割ほどが在籍するに留まっているとも言われています。医局に所属することは、教授職を得たりと大学病院内で出世するためには必要不可欠なことですが、人間関係のしがらみも多く、大きなストレスを感じて退局する医師も多いです。後期研修が終わり、ある程度実務経験を積んで医局の内情を知ると、医局を退局するかどうかの選択肢が現れると言えます。

医局内には人間関係の派閥があることが多く、わずらわしさを感じる医師もいます。また給与水準が市中病院と比べて低い傾向があるため、30代前半くらいだと生活基盤をしっかりさせるのも苦労することがあります。医局には医師数が充実しているため休みなどが取りやすいことはメリットの一つですが、その分一人当たりが担当できる症例数も減るため、経験を積みたい医師が歯がゆさを感じることもあります。

医局を退局するならば、多くの場合で市中病院に入職することとなると思います。市中病院に入職するメリットとして、まず給与アップがあります。大学病院と市中病院は給与水準の差が大きい傾向があり、30代前半の医師で200-400万円、30代後半の医師で300-500万円ほどの差が出ることもあります。結婚などで生活基盤を整えたい医師も、医局ではなく市中病院を選択することが多くなります。

ただし市中病院の場合、医師不足であることも多く、仕事自体は忙しくなる傾向にあります。残業やオンコール、当直などもこなさないといけなくなるため、体力的はきつくなる場合もあります。

2:ライフステージの変化

男性医師は結婚をしてもそのままの病院で働き続けることが多いです。しかし女性医師の場合、妊娠や出産、育児などにより現職を休職したり、もしくは辞めてしまうことも多くなります。女性医師がライフステージの変化でキャリアを変える場合、どのような道があるのでしょうか?

1、女性の出産や育児に理解のある病院に転職をする

女性が育児をしつつ働けるような環境づくりは社会全体の急務となっていますが、なかなか整備されているとは言えません。それと同じことが医療機関でも言えます。院内保育所など女性医師が働きながら子どもを育てられる施設は、どんな病院にもあるというわけではありません。結婚によりライフステージが変化しそうならば、あらかじめ女性医師の出産や育児に理解のある病院を探して転職をするのも一つの手です。サポートもない病院に在籍し続けるよりも、仕事と家庭が両立しやすくなります。

2、転科を行う

診療科によっては体力の消費が激しい激務の診療科目もあります。手術に関わる外科や産科、麻酔科などが激務の筆頭と言われる診療科です。このような診療科に在籍しつつ、出産や育児をするのは困難な道になります。ライフステージの変化により、これらのような激務の診療科から比較的自分のペースで働ける内科や眼科、皮膚科などの診療科に転科するのも一つの手段です。

3、非常勤医に転向する

現在の診療科で培ってきた経験を活かしたいならば、非常勤医として働くのも一つの選択です。週5日のフルタイムの勤務をする必要がないため、育児が特に忙しい0-2歳児の間に経験や勘を鈍らせないために非常勤医を選ぶ女性医師も存在します。非常勤医は常勤医と比べても給与水準が高いため、生活の質をそこまで下げなくてよいこともメリットです。

4、大黒柱として稼ぐ覚悟をする

今までのキャリアを手放したくない場合、育児を夫に任せて出産後すぐに仕事に戻るのも一つの手です。現在の仕事へのモチベーション次第では、大黒柱として家計を稼ぐ覚悟をすることも一つの手段でしょう。主夫は主婦と比べて少ないですが、社会に徐々に増えてきています。そこまで珍しいものでもなくなってきていることが、女性医師が大黒柱になることの後押しになります。

ドクタービジョン編集部

医師がキャリアや働き方を考える上で参考となる情報をお届けします。医療業界動向や診療科別の特徴、転職事例・インタビュー記事、専門家によるコラムなどを日々の情報収集にお役立てください。

今の働き方に不安や迷いがあるなら医師キャリアサポートのドクタービジョンまで。無料でご相談いただけます