求人者と求職者の適切なマッチングの促進に取り組む企業として認定されています。
医師がキャリアや働き方を考える上で参考となる情報をお届けします。
医療業界動向や診療科別の特徴、転職事例・インタビュー記事、専門家によるコラムなどを日々の情報収集にお役立てください。
2018年4月から開始された「新専門医制度」。2021年秋には、制度が始まって一期目の日本専門医機構が認定する専門医が誕生しました。また、厚生労働省によると、男女ともに9割以上の医師が専門医の取得を希望しているという結果も明らかになっており、専門医資格に注目が集まっています。
今回は、専門医資格を取得するメリットやその方法について詳しく解説します。
専門医の資格を取るメリット
専門医資格は、医師のキャリア形成に有利な資格として定着しています。具体的に、資格取得によりどのような点で有利になるのでしょうか。専門医資格を取得するメリットについてご紹介します。
スキルアップや知識の習得
専門医資格を取得するための研修では、医療の実践的なスキルや知識を学ぶことができます。さらに資格試験は、研修で得た知識の振り返りと定着を図ることにもつながります。
給与や待遇の向上
現状、インセンティブや診療報酬上の加算はありませんが、資格を取得したことによって給料が上がったと感じている人もいます。また、4つの病院を運営している埼玉県では、2020年に専門医資格に応じた5段階の年俸制を導入しました。こうした流れが定着するかどうかはまだ不透明である一方、新しい動きのひとつであるのは明らかであり、今後の医師の待遇向上にも期待ができそうです。
患者さまやほかの医師、スタッフから信頼が得られる
専門医資格は医師として標準的な医療を提供できることの保証になるため、ほかの医師やスタッフからの信頼を得られやすいというメリットがあります。そのほか、専門医資格を保有している医師は、医療機関のホームページや広告などにその旨を掲載できます。「専門性が高い医師の存在」をアピールすることで、患者さまも安心してその医療機関を利用できるようになるでしょう。
就職や転職、開業などキャリアアップに有利
日本における専門医は専門性が高い医師の象徴なため、資格保有は転職や開業の際に有利に働きます。特に転職時においては、専門医資格の有無が採用の判断材料になるケースも数多くあります。
ただし、専門医資格が重視される職場とそうでない職場があることに留意しておきましょう。例えば、大規模な病院や急性期病院では専門性が求められるために専門医は優遇されますが、介護施設や中小規模の病院・クリニックではそれほど重視されないことも多くあります。
専門医を取るべき理由
新専門医制度は、厚生労働省の「専門医の有り方に関する検討会報告書」を受けて2014年に設立された日本専門医機構がマネジメントしている制度で、2018年4月からスタートしています。
この背景には、各学会が独自に認定していた専門医の質に対する懸念、専門医の能力における医師と国民とのギャップ、医師の地域偏在・診療科偏在などの課題がありました。
そこで中立的な第三者機関である同機構が専門医の認定と養成プログラムの評価・認定を統一的に実施することで、専門医の質を高め、良質な医療の提供へとつなげます。
なぜ国がこうした仕組みを推進するのかと言うと、十分な研修を受けない「フリーター医師」が増加したことに要因があります。医学部卒業後、2年間の臨床研修の後に受講する専門研修は任意であり、研修を受けない医師も一定数存在するのです。そのため、少なくとも基本的な診療科については専門研修を行い、一定のスキルを持つ専門医を育成することが目標とされました。
厚生労働省の「専門医制度の現状と課題」では、専門医について「神の手を持つ医師やスーパードクターのことを意味するものではない」とし、「それぞれの診療領域(診療科)において、標準的医療を提供でき、患者から信頼される医師」と定義しています。
こうした医師を育てるために、専門医資格の取得は有効な手段になるのです。
専門医の取得状況
各学会が運営する専門医認定試験における令和元年度の基本領域専門医の平均では、受験者数629人、合格者数472人、合格者数75.0%となっています。受験数が5,428名ともっとも多い内科専門医(※総合内科専門医)の合格者数は3,551名(合格率65.4%)で、受験者数が34名ともっとも少ない臨床検査専門医における合格者数は30名(合格率88.2%)でした。
ただし、これはあくまでも学会専門医の合格者数で、学会専門医の認定期間が終了した2021年3月31日以降は機構認定専門医の資格取得しかできなくなっています。そのため、今後専門医資格を新たに取得する場合、必然的に機構認定専門医を選択することになります。
一方で、日本専門医機構が発行する「日本専門医制度概報【令和2年度(2020年)版】」によると、新専門医制度が発足した2018年よりスタートした同機構の専門研修に参画した医師は、8,410名(2018年)、8,615名(2019年)、8,973名(2020年)と堅調に推移しています。
また、2021年度も9,000名を超える専攻医希望者が研修に応募するなど、その勢いはさらに増しています。そして2021年には、冒頭でふれた通り、機構認定の専門医が初めて誕生しました。今後も機構認定専門医の数はますます増加することが予想されるでしょう。
専門医の資格を取得するには
今後、専門医資格を取得するためには、日本専門医機構による認定が必須です。
資格取得の基本プロセスは、医学部を卒業後、必修である2年間の臨床研修を終えたあとに、19の基本領域から専門医資格を取得したいひとつの領域を選択します。そして選んだ領域で「専攻医」として3年以上(各診療科によって異なる)の専門研修プログラムを修め、プログラム修了後に認定試験に合格する必要があります。医学部入学時点から考えると、専門医資格を取得するまでには最短でも11年かかるということです。
また、資格取得後は、5年ごとに資格を更新しなければ失効してしまいます。なお、選択したひとつの基本領域の研修後には、24のサブスペシャリティ領域の研修に進むことも可能です。一部のサブスペシャリティ領域の研修については、選択した領域との連動研修も行われています。
サブスペシャリティの追加を望む声を受け、日本専門医機構では認定基準を現在精査中です。2022年度以降には、現行の24領域以外の認定をスタートさせるとしています。
キャリアプランに迷ったらコンサルタントに相談を
専門医の資格を取得するか否か、取得する場合はどの領域で資格を取得すべきか、今後のキャリアプランも含めて迷いや不安を抱えている方は、転職コンサルタントに相談してみるのもおすすめです。
医療分野に特化した転職コンサルタントであれば、医師年数やスキルなどを客観的に見極めた上で、資格取得のタイミングや今後の展望なども含め、最適なキャリアプランについてアドバイスをくれるでしょう。
専門医制度を理解した上で納得のいく資格取得を
専門医の資格取得は享受するメリットが大きい一方で、その後のキャリアを決定づける専門研修プログラムの領域をひとつしか選べないことや資格取得に時間を要することなど悩ましい部分もあります。
特に日々の業務に忙殺されている20代の医師にとっては、資格取得のために時間を割くことがそもそも難しいという現状の問題もあります。そうした葛藤とも向き合った上で慎重に取得を検討し、自分の希望するキャリアを描いていきましょう。
ドクタービジョン編集部
医師がキャリアや働き方を考える上で参考となる情報をお届けします。医療業界動向や診療科別の特徴、転職事例・インタビュー記事、専門家によるコラムなどを日々の情報収集にお役立てください。
人気記事ランキング
おすすめ記事
スキルアップコンテンツ
医師の疑問や悩みを解決
特集ページ
INFORMATION
医師求人特集一覧
高額、クリニック、女性活躍求人などおすすめ求人特集満載
-
【常勤】新着医師求人特集
全国の常勤医師求人はこちらで毎日更新しております。気になる求人がございましたら、まずはお気軽にご相談ください。 先生のご希望に合わせて給与や就業条件の交渉もさせて頂きます。
-
【常勤】2025年4月入職可の求人特集
2025年4月(来春)入職可の求人特集です。 理想の働き方を実現できるよう、コンサルタントがサポート致しますので、お気軽にお問合せ下さい。
-
【非常勤】新着医師求人特集
全国の非常勤医師求人はこちらで毎日更新しております。気になる求人がございましたら、まずはお気軽にご相談ください。 先生のご希望に合わせて給与や就業条件の交渉もさせて頂きます。
INFORMATION
-
-
一定の基準を満たした、「適正な有料職業紹介事業者」として認定されています。
-
厳密な管理基準に従って、求職者の個人情報を適切に取り扱っております。
SNS公式アカウント
すべての医師に役立つ情報を発信中!
ドクタービジョン
Facebook公式アカウント
ドクタービジョン
X公式アカウント
ドクタービジョン
LINE公式アカウント
私らしく働く女性医師を応援
女性医師向け
Instagram公式アカウント