内科専門医の概要と取得条件

基本領域

内科専門医の概要と取得条件

科目概要

内科専門医は、内科医として広い知識と練磨された技術を備える優れた臨床医を示します。内科専門医制度は、社会の人々がより高い水準の医学・医療の恩恵が受けられるように1968年10月1日に発足しました。内科専門医になるには、一般社団法人 日本内科学会に入会し、会費を完納することに加えて、プログラムの修了要件を満たして専門医試験に合格すると取得できます。

所属学会

一般社団法人 日本内科学会

専門医数

37,878人
専門医機構認定専門医数:0人※1

性別比(男:女)

病院 79.0:21.0
診療所 84.0:16.0※2

平均年収

1,602万円※3

専門医取得条件

【1】内科専門医の場合

日本内科学会に入会し、会費を滞納することなく、会員を継続している方が対象です。その上で、2015年以前に医師免許を取得したか、2016年以降に医師免許を取得したかで条件が変動いたします。

  1. 2015年以前に医師免許を取得した場合
    それぞれの状況に応じた3パターンの取得条件があります。
    1. 認定内科医取得者であれば、病歴提出免除。セルフトレーニング問題を1回以上受講し、筆記試験に合格すると専門医として認定されます。
    2. 『J-OSLER』のプログラムを受けていなくても、初期・後期などを含めて5年以上の内科研修を経験していれば、セルフトレーニング問題を1回以上受講し、病歴要約29症例を提出の上で筆記試験に合格すると専門医として認定されます。
    3. 『J-OSLER』のプログラムを受けており、病歴要約29症例を提出の上で筆記試験に合格すると専門医として認定されます。
  2. 2016年以降に医師免許を取得した場合
    『J-OSLER』のプログラムを受けており、病歴要約29症例を提出の上で筆記試験に合格すると専門医として認定されます。

詳細については以下を参照

(NEW)2022年度 第2回 内科専門医 資格認定試験 【出典】一般社団法人 日本内科学会

【2】総合内科専門医の場合

日本内科学会に入会し、認定内科医資格を保持している方で、会費を滞納することなく、会員を継続している方が対象です。

  1. 2021年以降に初めて更新を迎える方
    継続的な内科への従事(専従)に加え、セルフトレーニング問題を2回以上受講することで、 筆記試験を受けることができます。筆記試験に合格する総合内科専門医として認定されます。
    1. 2020年までに1回以上の更新をしている方
    2. 「2021年以降に初めて更新を迎える方」で不合格となった方
    継続的な内科への従事(専従)に加え、セルフトレーニング問題を2回以上受講し、病歴要約10症例を提出した後に筆記試験を受けることができます。筆記試験に合格する総合内科専門医として認定されます。
  2. 一度も認定内科医を更新していない方
    認定内科医取得後、3年以上の内科研修(基幹・連携施設等でのカリキュラム制研修)を受けた後、セルフトレーニング問題を2回以上受講し、病歴要約10症例を提出した後に筆記試験を受けることができます。筆記試験に合格する総合内科専門医として認定されます。
  3. 基幹・連携施設等でのカリキュラム制研修を受けた方
    内科専門医取得後、3年以上の内科研修(基幹・連携施設等でのカリキュラム制研修)を受けた後、セルフトレーニング問題を2回以上受講し、病歴要約10症例を提出した後に筆記試験を受けることができます。筆記試験に合格する総合内科専門医として認定されます。

詳細については以下を参照

(NEW)2022年度 第50回 総合内科専門医 資格認定試験 【出典】一般社団法人 日本内科学会

専門医試験内容

【1】内科専門医の場合

■ 筆答試験

「内科専門研修カリキュラム(=出題基準)に準拠するものとし、到達レベルのグレード「A」を中心に出題。MCQ(Multiple Choice Questions:多肢選択式問題)によるマークシート形式の試験を行います。

・問題数:250題
総合内科を含めた内科の10分野

  1. 一般問題(100題):内科の10分野について、専門的であっても必須の知識や判断力を問う問題
  2. 臨床問題(150題):年齢、性別を記載して実施形式で症例を示し、設問に答える問題
※原則として「標準的内科学教科書」、「日本内科学会雑誌」および「内科救急診療指針2016」に掲載されている内容が中心です。難易度は、認定内科医試験と総合内科医試験の中間ほどとなります。

詳細については以下を参照

2022年度 第2回 内科専門医 資格認定試験 【出典】一般社団法人 日本内科学会

【2】総合内科専門医の場合

■ 筆答試験

「内科専門研修カリキュラム(=出題基準)に準拠するものとし、到達レベルのグレード「A~C」から出題。MCQ(Multiple Choice Questions:多肢選択式問題)によるマークシート形式の試験を行います。

・問題数:200題
総合内科を含めた内科の10分野

  1. 一般問題(50題):内科の10分野について、専門的であっても必須の知識や判断力を問う問題
  2. 臨床問題(150題):年齢、性別を記載して実施形式で症例を示し、設問に答える問題
※原則として「標準的内科学教科書」、「日本内科学会雑誌」および「内科救急診療指針2016」に掲載されている内容が中心です。難易度は、従来の総合内科専門医試験と同等レベルとなります。

詳細については以下を参照

(NEW)総合内科専門医試験_試験問題・合否判定 について 【出典】一般社団法人 日本内科学会

専門医更新条件

内科専門医資格の有効期限は5年間です。専門医認定期限が満5年を迎える前に更新申請を行わなければなりません。

2022年より、一般社団法人 日本専門医機構が定める、専門医委員会が審査および認定・更新を行うこととなりました。以下、専門医資格の更新基準は以下3つとなります。

  1. 勤務実態の自己申告
    • 更新年度1年間の勤務実態について
  2. 診療実績の証明
    • 専門医としての診療実績・診療能力を、セルフトレーニング問題による合格をもって証明とする
    • 合格基準は60%以上の正解を原則とする
  3. 更新単位の取得
    • 以下のi〜iv の必須を含めた50単位以上の取得
    項目 取得単位
    診療実績の証明(上記2.に該当) 10単位(必須)
    専門医共通講習 最小3単位(必須)〜最大10単位
    内科領域講習 最小20単位(必須)
    学術業績・診療以外の活動実績 最小2単位(必須)〜最大10単位
    ※2022年より学会が認定する専門医の更新制度は廃止となり、日本専門医機構が認定する専門医のみの更新に移行されました。

詳細については以下を参照

内科専門医の認定と更新 【出典】一般社団法人 日本内科学会

専門医試験受験者数

内科専門医:1,987名(令和3年/2021年度)
総合内科専門医:5,428人(令和元年度/2019年度)※4

専門医試験合格者数

内科専門医:1,856名(令和3年/2021年度)
総合内科専門医:3,551人(令和元年度/2019年度)

専門医試験合格率

内科専門医:94.45%(令和3年/2021年度)
総合内科専門医:65.4%(令和元年度/2019年度)
  • ※1 令和3年(2021年)9月時点
  • ※2 令和2年(2020年)12月31日時点
  • ※3 令和2年(2020年)10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を出しています
  • ※4 令和2年度(2020年度)の試験は延期となり未実施

国民から信頼される内科領域の専門家/内科専門医

疾病の予防から治療に至るまでの保険・医療活動により国民の健康に貢献する内科専門医は、臓器別の専門性に偏ることなく全人的な内科診療を行うことが求められます。また、内科専門医は知識や技能だけではなく、患者に人間性をもって接し、国民から信頼される内科領域の専門家とならなければなりません。

これらの情報を一つの判断材料として、理想とする医師像やキャリアを照らし合わせ、自らの診療科選択にご活用ください。

基本領域(19領域)

新専門医制度の19領域より、専門医に関する情報を科目毎にまとめています。以下のリンクよりご確認ください。学会に所属する医師の人数・性別比・平均年収、さらに専門医取得条件や専門医試験内容、専門医試験の受験者数・合格者数・合格率などが分かるため、キャリア選択の参考に役立ちます(以降の科目は順次更新予定)。

注意事項

  • 本ページは公開日2022年7月12日時点の情報を参考に作成しております。
  • 最新の情報につきましては、厚生労働省や各学会の発表をご確認ください。