救急科専門医の概要と取得条件

基本領域

救急科専門医の概要と取得条件

科目概要

救急科専門医とは、病気、けが、やけどや中毒などによる急病の方を診療科に関係なく診療し、とくに重症な場合に救命救急措置、集中治療を行う医師を示す制度です。病気やけがの種類、治療の経過に応じて、適切な診療科と連携して診療に当たります。また、救急医療の知識と技能を生かし、救急医療制度、メディカルコントロール体制や災害医療において指導的立場を発揮。医師免許を取得後、救急科の専攻医として一定の条件を満たし、筆記試験に合格することで取得できます。

所属学会

一般社団法人 日本救急医学会

専門医数

5,489人
専門医機構認定専門医数:119人 ※1

性別比(男:女)

病院 84.1:15.9※2
診療所 87.9:12.1

平均年収

1,546万円 ※3

専門医取得条件

医師免許取得が平成28年/2016年以降の場合

  1. 2018年4月以降に新制度(日本専門医機構認定)プログラム制で研修を開始し、プログラム修了後(3年後)であること
  2. 新制度(日本専門医機構認定)カリキュラム制の条件を満たすこと(新制度のカリキュラム制の条件は検討中)
※プログラム制での研修が不可能である合理的な理由があり、所定の理由書および理由を証明する書類を提出し専門医認定委員会で認定された場合に限り、旧制度(日本救急医学会認定)の条件を満たせば旧制度での取得も可能。 ※旧制度は2025年まで実施予定。新制度のカリキュラム制は2026年以降に開始予定。 ※平成27年/2015年までに医師免許を取得した場合は別途規定あり。詳細は、日本救急医学会のHPをご参照ください。

プログラム修了要件の詳細については以下を参照

専門研修プログラム整備基準
【出典】一般社団法人 日本救急医学会
救急科専攻医研修マニュアル 【出典】一般社団法人 日本救急医学会

専門医試験内容

■救急勤務歴審査
■診療実績審査
■筆記試験

<補足>
申請の際、「1.救急科領域専門研修プログラム専攻医 救急科専門医申請書」「2. 救急科領域専門研修プログラム修了証明書」「3. 医師免許証のコピー」「4. 申請手数料の入金証明」の提出が求められています。また、申請手数料として11,000円(税込)が必要となります。

専門医更新条件

救急科専門医資格の有効期限は5年間です。専門医認定期限が満5年を迎える前に更新申請を行わなければなりません。機構専門医資格の更新には、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 勤務実態の自己申告
    正しい申告が原則であり、申告が実態と一致しているか否かについて勤務実態を検証することがあります。勤務形態については、直近1年間の実態を記載することが求められます。
  2. 診療実績の証明
    「A:救急診療活動一覧の提示により診療実績を示す方法」、「B:能力判定試験(E-test)を受ける方法」があります。
  3. 更新に必須な単位:50 単位
    専門医資格更新に必要な単位の算定は以下に示す i)~iv)の4項目の合計で行い、これを資格更新のための基準とします。4項目について5年間で取得すべき単位数を示します。
    項目 取得単位
    i) 診療実績の証明(上記②に該当) 最小5単位、最大10単位
    ii) 専門医共通講習 最小3単位、最大10単位(このうち3単位は必修講習)
    iii) 救急科領域講習 最小 15 単位
    iv) 学術業績・診療以外の活動実績 0~15 単位

詳細については以下を参照

日本専門医機構 救急科専門医更新基準 【出典】日本専門医機構

専門医試験受験者数

335人(令和2年度/2020年度)

専門医試験合格者数

279人(令和2年度/2020年度)

専門医試験合格率

83.3%(令和2年度/2020年度)
  • ※1 令和3年(2021年)8月時点
  • ※2 令和2年(2020年)12月31日時点
  • ※3 令和2年(2020年)10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を出しています

緊急度・重症度の高いケースにも適切な初期診療が求められる領域/救急科専門医

救急医には、ドクターヘリやドクターカーで現場に出動して搬送前から診療を行う役割や、ED(Emergency Department)に来る患者さまの初期診療にあたり、緊急度を判断する役割、重症病態を早期治療する役割などがあります。

その特性から、緊急度・重症度の高い患者さまにも対応することとなりますが、その分やりがいのある仕事と言えます。

そして、多忙なイメージのある救急医ですが、実際はシフト勤務制がほとんど。オンとオフがはっきりしており、家族や友人との時間、勉強や研究などの時間をしっかりと確保できます。ワークライフバランスを重視したい人にも向いている分野と言えるでしょう。

基本領域(19領域)

新専門医制度の19領域より、専門医に関する情報を科目毎にまとめています。以下のリンクよりご確認ください。学会に所属する医師の人数・性別比・平均年収、さらに専門医取得条件や専門医試験内容、専門医試験の受験者数・合格者数・合格率などが分かるため、キャリア選択の参考に役立ちます(以降の科目は順次更新予定)。

注意事項

  • 本ページは公開日2022年7月12日時点の情報を参考に作成しております。
  • 最新の情報につきましては、厚生労働省や各学会の発表をご確認ください。