耳鼻咽喉科専門医の概要と取得条件

基本領域

耳鼻咽喉科専門医の概要と取得条件

科目概要

耳鼻咽喉科専門医とは、耳・鼻から咽喉・甲状腺などの頭頸部に関する病気を中心に、専門的な知識と技術のもと適切に診療し、他科との連携やコンサルテーションが行える医師を指します。耳鼻咽喉科専門医になるためには、初期臨床研修修了後、専門研修カリキュラムに従って4年以上の研修を受け、資格試験に合格することで取得できます。

所属学会

一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

専門医数

8,217人
専門医機構認定専門医数:7,048人 ※1

性別比(男:女)

病院 73.9:26.1※2
診療所 80.5:19.5

平均年収

1,558万円 ※3

専門医取得条件

  1. 日本国の医師免許を有する者
  2. 臨床研修修了登録証を有する者(第98回以降の医師国家試験合格者について必要)
  3. 専門医認定申請時において、引き続き3年以上日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の正会員である者
  4. 認可された耳鼻咽喉科専門研修プログラムを修了した者
  5. 基幹施設6カ月以上、かつ連携施設1施設以上(3カ月以上)で研修を行った者(プログラム制)
  6. 1編以上の学術論文(筆頭著者)を執筆し、3回以上の学会発表(日耳鼻総会・学術講演会、関連する学会、ブロック講演会、地方部会学術講演会)を行った者
  7. 医療安全、感染対策、医療倫理の講習会をそれぞれ1回以上受講した者(院内の講習会を含む)
  8. 専門研修の期間に、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の総会・学術講演会および秋季大会に各1回以上参加していること(2020年度以降に専門研修を開始した者が該当)

プログラム修了要件の詳細については以下を参照

専門研修プログラム整備基準 【出典】一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

専門医試験内容

■書類審査

2018年度専門研修プログラム、もしくは2017年度暫定プログラムを終了した場合、「1.専門医認定申請書」「2.履歴書」「3.受験票」「4.医師免許証(コピー)」「5. 臨床研修修了登録証(厚生労働省が発行したもののコピー※第98回以降の医師国家試験合格者のみ必要)」「6.専門研修プログラム修了証明書」「7.専門研修記録簿」「8.耳鼻咽喉科専門研修プログラム修了要件チェックリスト」の提出が必要です。これら書類に基づき専門医制度委員会において受験資格の有無の審査が行われます。合格者は、以下の試験を受けることが可能です。

※2016年度以前に研修を開始した場合は上記と内容が異なります。詳しくは、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のHPをご確認ください。

■筆記試験

記述式8題、多肢選択100題

■小論文

■口頭試問(面接)

※2022年度の面接は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止

<補足>
審査料として、30,000円(うち資格審査料10,000円、受験料20,000円)が必要となります。

専門医更新条件

耳鼻咽喉科専門医資格の有効期限は5年間です。専門医認定期限が満5年を迎える前に更新申請を行わなければなりません。専門医資格の更新には、以下の条件をすべて満たす必要があります。更新手続きは、会員マイページからオンライン申請にて行うことが可能です。

  1. 勤務形態の自己申告
    申告が実態と一致しているか否かについて勤務実態を検証することがあります。勤務形態については、直近1年間の実態を記載することが求められます。
  2. 診療実績の証明
    5年間に診療した耳鼻咽喉科疾患症例200症例(10単位)(1症例/週、毎年40症例(2単位)を5年分)について、診療日時、性、年齢、病名分類、病名、検査、処置、所見、手術の有無、治療法、転帰、診療施設名、責任者氏名(印)を記載して提出する必要があります。
    1)耳、2) 鼻・副鼻腔、3) 口腔咽喉頭、4) 頭頸部、の4領域の分類も記載してください。原則として5年間でそれぞれ最低10症例以上は記載する必要があります。診療症例数20症例で1単位となります。
  3. 更新単位 50 単位
    項目 取得単位
    1) 診療実績の証明 *連続して3回以上資格更新を行った専門医(学会専門医を含める)は、診療実績の証明を更新要件から免除されます。 10 単位
    2) 専門医共通講習 *2 種類の基準があり、多様な地域での勤務経験により、必修講習の対象が異なります。(※注) (専門医番号が 1~29999 までの専門医)
    *学会認定後、更新により機構認定専門医となった方は、多様な地域での診療実績があると見なします。
    (専門医番号が 30001~の専門医で、多様な地域での勤務が1年以上ある方)
    最小3単位、最大10単位
    (このうち3単位は必修講習)
    (専門医番号が 30001~の専門医)
    *2022 年度以降に専門医試験で合格し、機構認定専門医として認定された方
    最小8単位、最大10単位
    (このうち8単位は必修講習)
    3) 耳鼻咽喉科領域講習 最小20 単位
    4) 学術業績・診療以外の活動実績 2~10 単位
    5) 日耳鼻総会・学術講演会 5 年間に1回以上の出席(必須)
    6) 日耳鼻秋季大会
    (旧:専門医講習会)
    5 年間に1回以上の出席(必須)

詳細については以下を参照

新専門医制度における耳鼻咽喉科専門医の更新基準について(第五版) 【出典】一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

専門医試験受験者数

254人(令和2年度/2020年度)

専門医試験合格者数

213人(令和2年度/2020年度)

専門医試験合格率

83.9%(令和2年度/2020年度)
  • ※1 令和3年(2021年)9月時点
  • ※2 令和2年(2020年)12月31日時点
  • ※3 令和2年(2020年)10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を出しています

患者さまのQOLに直接働きかける専門医/耳鼻咽喉科専門医

耳・鼻・喉・気管・食道などの不調は、その方の生活に大きな影響を及ぼします。耳鼻咽喉科領域は、多くの患者さまのQOL向上に直接つながるため、患者さまの症状から成果を実感できたときにやりがいを感じる方も少なくありません。

アレルギーや顔面麻痺、めまい、睡眠時無呼吸症候群、難聴など、耳鼻咽喉科領域が対応できる範囲は広く、専門医を取得することで活躍の幅はさらに広がるでしょう。

基本領域(19領域)

新専門医制度の19領域より、専門医に関する情報を科目毎にまとめています。以下のリンクよりご確認ください。学会に所属する医師の人数・性別比・平均年収、さらに専門医取得条件や専門医試験内容、専門医試験の受験者数・合格者数・合格率などが分かるため、キャリア選択の参考に役立ちます(以降の科目は順次更新予定)。

注意事項

  • 本ページは公開日2022年7月12日時点の情報を参考に作成しております。
  • 最新の情報につきましては、厚生労働省や各学会の発表をご確認ください。