基本領域
精神科専門医の概要と取得条件
科目概要
1902年に創立した公益社団法人 日本精神神経学会は、『精神医学と神経学の研究を進め、会員相互間の連絡提携を図り、もって学術、文化の発展に寄与する』ことを目的としています。精神科専門医は、公益社団法人 日本精神神経学会の会員となったうえで所定の研修プログラムを修了し、精神科専門医試験に合格することで取得が可能です。
所属学会
公益社団法人 日本精神神経学会
専門医数
11,851人
専門医機構認定専門医数:0人※1
専門医機構認定専門医数:0人※1
性別比(男:女)
病院 76.3:23.7
診療所 76.2:23.8※2
診療所 76.2:23.8※2
平均年収
1,605万円(小児精神科:1,478万円)※3
専門医取得条件
- 日本国の医師免許証を有するもの
- 5年以上の臨床経験を有し、うち3年以上の精神科臨床経験を有するもの。
ただし、3年以上の精神科臨床経験については、研修に関する施行細則に定める研修施設群において、専門研修指導医の指導のもとでの研修プログラムに沿った精神科臨床研修を3年以上行ったこと。
詳細については以下を参照
日本専門医機構認定精神科専門医制度規則 精神科専門医認定に関する施行細則 【出典】公益社団法人 日本精神神経学会専門医試験内容
- 筆記試験
- 症例報告審査および口答試問
<補足>
試験の申請費用として、受験審査料40,000円、認定審査料41,000円が必要となります。
専門医更新条件
精神科専門医資格の有効期間は5年間です。専門医認定期限が満5年を迎える前に更新申請を行わなければなりません。
2022年より、一般社団法人 日本専門医機構が定める、専門医委員会が審査および認定・更新を行うこととなりました。以下、専門医資格の更新基準は以下3つとなります。
- 勤務実態の証明
・「日本専門医認定 精神科専門医資格更新申請書」、「医療機関等における診療実績報告書(症例数)」を提出します。 - 診療実績の証明
・症例数の報告により診療実績を示す更新までの 5 年間に担当したケース2例について、臨床経験レポートを提出します。臨床経験レポートは、治療期間、病名、治療法などを記載した診療サマリー(字数:1000 字から 1200 字)とします。 - 講習受講
・以下のⅱ〜ⅳ の必須を含めた40単位以上の取得-
初回認定時より日本専門医機構認定専門医の方
項目 取得単位 ⅱ)専門医共通講習 最小8単位、最大10単位
(このうち8単位は必修講習)ⅲ)精神科領域講習 最小20単位 ⅳ)学術業績・診療以外の活動実績 0〜10単位 -
学会専門医から日本専門医機構認定専門医に移行された方
項目 取得単位 ⅱ)専門医共通講習 最小3単位、最大10単位
(このうち3単位は必修講習)ⅲ)精神科領域講習 最小20単位 ⅳ)学術業績・診療以外の活動実績 0〜10単位
-
初回認定時より日本専門医機構認定専門医の方
詳細については以下を参照
日本専門医機構認定精神科専門医更新基準 【出典】公益社団法人 日本精神神経学会専門医試験受験者数
547人(令和2年度/2020年度)
専門医試験合格者数
379人(令和2年度/2020年度)
専門医試験合格率
69.3%(令和2年度/2020年度)
- ※1 令和3年(2021年)9月時点
- ※2 令和2年(2020年)12月31日時点
- ※3 令和2年(2020年)10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を出しています
一人でも多くの人が生き生きとした生活を送れるように/精神科専門医
新型コロナウイルス感染症の拡大により、大きな影響を受けているのはメンタルヘルスの領域においても同じです。長らく続く生活様式の変化に、精神科医の果たすべき役割は実に大きなものとなっています。自らの人生経験や多くの臨床経験が診療技術に影響する精神科医の仕事は、ほかの領域では感じることのできない醍醐味ともいえるでしょう。
医師のキャリア形成において、診療科選択は今後のキャリアを大きく左右するもの。医師としてどのようなキャリアを築いていきたいのか、どのような医師になりたいのかを改めて考えるきっかけとして、本メディアを役立てていただけたら幸いです。