基本領域
脳神経外科専門医の概要と取得条件
科目概要
脳神経外科専門医になるには、研修プログラム(病院群)で所定の訓練を受けて受験資格を満たし、その後実施される筆記試験と口頭試問に合格する必要があります。
所属学会
専門医数
専門医機構認定専門医数:4,897人 ※1
性別比(男:女)
診療所 96.9:3.1
平均年収
専門医取得条件
- 脳神経外科研修プログラムのもとで通算4年以上所定の研修を行うこと。ただしこの間少なくとも3年以上脳神経外科臨床に従事し、基幹施設に6か月以上在籍すること。
- 研修マニュアル(P3-4)記載の症例経験目標を満たすこと
- 研修マニュアル(P5-34)に規定された知識・技能・態度・倫理その他の目標について要求レベルに達していること(研修記録帳の評価)
- 筆頭演者として学会(全国規模)発表2回以上あること。
- 筆頭著者としての論文(英文和文を問わない、査読付き)採択受理1編以上あること
上記要件を満たしたのち、研修プログラム管理委員会において審議のうえでプログラム統括責任者により修了と評価され、脳神経外科領域研修委員会に専門医認定試験受験を申請します。
プログラム修了要件の詳細については以下を参照
専門研修プログラム整備基準 【出典】一般社団法人 日本脳神経外科学会専門医試験内容
■筆記試験
脳神経外科疾患に関する問題250問が出題され、試験に合格することで次の口頭試問に進めます。
■口頭試問
まず実際に治療された患者さまの症状や診断画像、手術中の写真などが実例として9例提示されます。試験官は、それぞれの症例の診断・治療方針・手術の実際などについて、一問一答形式にて実地に即した診療能力を見定める質問が行われます。
<補足>
専門医試験合格後、認定料として100,000円が必要となります。
専門医更新条件
脳神経外科専門医は、以下の基準をもって更新することができます。
- 勤務実態の自己申告
所定の申請様式にて、所定の時期に自己申告を行う必要があります。 - 診療実績の証明(5年分)
診療能力を、「A:手術症例(原則、オンライン症例登録)の入力」「B: 非手術症例(原則、オンライン症例登録)の入力」「C: SANS(Self Assessment in Neurological Surgery)による自己学習」により証明する必要があります。 - 更新単位50単位(5年間)
項目 取得単位 1) 診療実績の証明(上記2.に該当) 最小6単位、最大10単位 2) 専門医共通講習 最小3単位、最大10単位
(このうち3単位は必修講習)3) 脳神経外科領域講習 最小20 単位(上限なし) 4) 学術業績・診療以外の活動実績 最小2 単位、最大10単位
詳細については以下を参照
日本専門医機構 脳神経外科専門医 更新基準 【出典】一般社団法人 日本神経外科学会専門医試験受験者数
専門医試験合格者数
専門医試験合格率
- ※1 令和3年(2021年)9月時点
- ※2 令和2年(2020年)12月31日時点
- ※3 令和2年(2020年)10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を出しています
脳、脊髄、神経のスペシャリストとして活躍する/脳神経外科専門医
脳神経外科は脳、脊髄、神経を専門に治療する診療科です。出血など目に見えないケースがほとんどのため、大事ではないと早合点してしまいがちですが、場合によっては命にかかわるケースも少なくありません。大変精密な確認作業が必要な領域であるため、より専門的な知見が必須になります。また、専門医の更新においても脳神経外科医の生涯学習はマストとされており、常に最新の知見と技術を磨くことが重要です。いわば脳、脊髄、神経のスペシャリストとして、脳神経外科専門医が活躍できるフィールドは広いでしょう。