医師は転職においては売り手市場の職業で、求人は年間を通してどのような診療科でもほぼあり、給与水準が高い医療機関も多いです。しかし選択肢が多いゆえに、見極めをしっかりしないと失敗してしまう可能性があります。それでは、医師が転職で失敗しないためにはどのような点に気を付ければよいのでしょうか？
１：希望する条件に執着しすぎない
転職をするということは、現職で働く上で何らかの不満があるはずです。例えば医師の転職理由に多いのが、過重労働です。特に外科系の医師は夜遅くまで残業があり、家に帰ってもオンコールがあり、当直をこなさなければいけない日もあり、忙しい生活を送っています。何年もそのような生活を続けていると、ワークライフバランスの取れた生活をしたくなり、転職を考えることもあるでしょう。
しかしここで考えてみたいのが、過重労働によってどれだけの収入が増えていたかということです。残業や当直などで増えていた収入を無視して、労働時間やワークライフバランスのみで転職先を決めてしまうと、今までの生活が成り立たなくなる可能性もあります。現職での不満を解消するために転職をするのはよいことですが、「今すぐにでも辞めたい」と思って自分の優先したい条件に合致する医療機関に飛びついてしまうのは好ましくありません。
一つの条件を改善させるためだけに転職をすると、どうしても他の部分でミスマッチが起きやすくなります。そういったことを防ぐためにも、どうしても譲れない条件以外にもできれば叶えたい条件をいくつか用意しておくとよいでしょう。すべての条件を叶えることは難しいですが、できるだけ優先したい条件数個くらいならば転職で叶えられる可能性は十分にあります。
２：知人紹介での転職は慎重に行う
知人からの紹介で転職をすることもあるかと思います。現職での働き方に悩んでいると、渡りに船とすぐに了承してしまうかもしれません。知人からの紹介の場合、内定の確率は非常に高くなるのでとても魅力的に見えてしまいます。
しかし、知人からの紹介で転職をすると、その後に「辞めづらくなる」ということがあります。ポジションを紹介してくれるような知人であるならば、その病院における立場が高いことも考えられます。人間関係や労働環境とミスマッチがあり辞めたいと思った際に、紹介してくれた方の顔を立てなければいけないため退職を言い出すにも非常にストレスを感じるでしょう。
事前に病院の労働環境や人間関係、医師の離職率などのを聞けるならばミスマッチは少なくなりますが、詳細を事前に聞けないのならば、知人紹介での転職は慎重に考えた方がよいでしょう。
３：転職活動は効率的に行う
転職には主に二つの手段があります。一つは医療機関のWEBサイトや知人からの紹介などで転職先を見つける方法、もう一つは転職サイトなど人材紹介会社を利用して転職先を見つける方法です。
働きながらの転職活動では、仕事の合間に転職先を探して、履歴書を作り、採用試験に申し込み・・・などとやることがたくさんありますが、医師は多忙な職業です。どうしても仕事のほうを優先してしまい、転職活動のほうがおろそかになり、好条件の職場を見逃してしまうこともあるでしょう。
よって、人材紹介会社などのプロを利用することで、効率的に転職活動を進めることもおすすめです。自分が希望する求人の見つけやすさ、転職活動の時間の最適化、面接対策やアドバイスなど、人材紹介会社を頼った方が楽になる場面は多いです。個人の調査では調べきれない情報を入手することもでき、履歴書や職務経歴書にどのようなことを書けばいいのか、面接ではどのようなことを質問されることが多いのか、その病院がどんな人柄の医師を重視するのか、などとのアドバイスもしてくれますので、まずはカウンセリングだけでも受けてみましょう。
