整形外科医の平均年収は?仕事内容や働き方についても解説

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公開日:2021.08.04

整形外科医の平均年収は?仕事内容や働き方についても解説

整形外科医の平均年収は?仕事内容や働き方についても解説

整形外科は生活習慣や災害、スポーツ活動によって発生する運動器官(骨・靭帯・筋肉など)のけがや病気を専門に治療する診療科です。スポーツや事故でけがをした子供から、老化による膝や肩の痛みを訴えるお年寄りまで幅広い治療に対応するため、患者さまの数も必然的に多くなります。

この記事では整形外科医の年収や仕事内容、働き方、転職時のポイントなどについてご紹介します。

整形外科医の平均年収

整形外科医の平均年収

整形外科医の平均年収は1,649万円です(※)。このうち東京都の平均年収が1,686万円と全国平均に近く、福島県や北海道、徳島県、高知県が1,900万円を超える結果が出ています。

医師不足が進行している地域では医師の需要が高いため好条件を提示する場合が多く、年収にこだわりたい場合は地方の求人情報を探してみるとよいでしょう。

そのほか、整形外科だけではなく医師の年収が変動する要因としては以下の点を確認しておきましょう。

  • 勤務形態が常勤、非常勤、アルバイトのどれに該当するか
  • 勤務先の規模(常駐する医師の数や床数など)
  • 専門医を取得していて高い技術が期待されているか
  • ※2020年10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を出しています

    診療科別の平均年収比較

    整形外科の平均年収をほかの診療科の平均年収と比較してみましょう。まず、全診療科の平均年収は1,596万円であるため、整形外科の平均年収はこれよりもやや高いといえます。続いて治療領域が似ている形成外科の平均年収は1,645万円、美容外科の平均年収は2,181万円という結果になりました。

    とくに美容外科は保険適用外の自由診療を扱うため、 施術料を自由に決められる分年収が高くなる傾向にあります。整形外科では保険診療のみ扱うため、美容外科ほどの平均年収に達するのは難しいでしょう。

    整形外科医の仕事内容

    整形外科医の仕事内容・働き方について

    整形外科医の仕事内容は、骨・関節・靭帯・筋肉神経などの運動器官に関するけがや病気の治療です。整形外科で扱うおもな疾患については次の例が挙げられます。

    【けが】
    打撲捻挫・脱臼・骨折・むち打ち損傷・スポーツ障害など
    【病気】
    腰痛・ヘルニア・リウマチ・骨粗しょう症など

    整形外科医はこれらの疾患の種類や度合いに応じて、応急処置や手術、ステロイド注射や鎮痛剤の処方による痛みの治療、リハビリテーション用の運動療法や物理療法の処方など、患者さまの運動機能を改善するための治療を行います。

    整形外科とよく間違われやすい形成外科は、体の表面を治療する診療科で、生まれつきの異常、けがや事故などによる欠損・腫瘍・傷痕などを手術で治療するのが専門です。

    整形外科医の働き方

    整形外科の施設は大きく分けて、入院可能な「病院(総合病院や整形外科専門病院など)」と、おもに受診される患者さまに対応する「クリニック(診療所)」のふたつです。このどちらに身を置くかによって働き方は大きく変わります。

    病院の場合は、救急外来を経由してくる患者さまに緊急手術を施したり、慢性疾患を持った患者さまを診療したりするのがおもな仕事。様々な患者さまを診察し、必要に応じて手術も行うため、極めて多忙となる可能性があります。時間外勤務や当直・オンコールも多いですが、給与水準は高くなる傾向にあります。

    クリニックの場合は、比較的病状が安定した患者さまを定期的に診療したり、保存療法で症状がとれない患者さまに対して日帰り手術を行うのがおもな仕事。入院設備がないため当直やオンコールはなく、時間外勤務も少ない傾向にありますが、病院で働く医師に比べれば給与水準は低くなるでしょう。しかし、日帰り手術の実施数に応じてインセンティブが付与されるケースもあるため、働き方次第で給与水準を高めることが可能です。

    転職時のチェックポイント

    転職時のチェックポイント

    ここでは、整形外科医が転職するときに知っておきたいポイントを紹介します。

    専門医の資格を取得可能な施設を選ぶ(非専門医の場合)

    整形外科の専門医資格は、転職の幅を広げる際にとても有利に働きますし、資格を必須としている病院もあります。未取得の方は、取得に向けて研修を受講したり、症例や執刀例を豊富に経験できる病院を選択したりするとよいでしょう。

    求人情報の中には「専門医取得可能」といった文言を含むものがあるため、ひとつの目安にできます。

    転職先の業務内容を確認する

    整形外科医の業務は、急患の対応や入院している患者さまの経過観察、リハビリ経過診断など、病院によっても業務内容に違いがあります。そのため、自分がやりたいと思っている、もしくは得意とする診療と、転職先で扱う業務内容が一致するかを確認することが大切です。

    転職活動の際は、転職サービスやコンサルタントを活用するとスムーズに進められます。担当者がついたら、自分の技術や経験などをしっかりと説明しておきましょう。

    また、質のよいワークライフバランスを考える場合、時間外労働の月平均や当直の有無または月の回数についての希望を事前に伝えておくことも必要です。

    今後需要の高まりが予想される整形外科医

    整形外科医は全診療科と比較してやや平均年収が高く、とくに病院で働く場合は多忙になりやすい傾向があります。また、業務内容が多いため、専門医が好待遇で迎えられるケースや手術の実績数に応じてインセンティブが付与されるケースなど、スキル・経験に応じた年収アップのチャンスも豊富。さらに、超高齢社会を迎えた日本では高齢の患者さまの受診が増加し、整形外科医の需要は今後高まることが見込まれます。

    もちろん給与だけでなく、自分のスキルが活かせる職場かどうか、ワークライフバランスを保てるかどうかなど、転職を検討する際に大切にしたい条件を考え、 希望に合った勤務先を選ぶようにしましょう。

    ドクタービジョン編集部

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