働き方の多様化が進み、「勤務条件を改善したい」「理想の医療を実現したい」などの様々な理由から、転職を考える医師は増えています。
しかし、数ある求人の中から希望する職場を見つけることは、時間も手間もかかり、なかなか難しいもの。転職を成功させるためには、ポイントを押さえて自分に合った職場を見つける必要があります。
そこで今回は、転職コンサルタントのお話をもとに、医師の転職失敗事例を解説していきます。失敗しやすいポイントを確認しておくことで、ご自身のよりよい転職につなげていきましょう。
コンサルタントに聞く、転職失敗事例とポイント
ここでは、実際にあった転職失敗事例を紹介するとともに、同じ失敗を防ぐためのポイントを解説していきます。
失敗事例1:情報収集をしすぎてタイミングを見失う
転職するのであれば、できるだけ条件のよい職場に転職したいと考えるもの。しかし、「もっとよい条件の求人があるのではないか」と考えて情報収集ばかりしていたため、転職のタイミングを逃してしまった。
<現役コンサルタントが語る、転職成功のためのPOINT >
求人情報は水物であり、"鮮度"が重要であるともいわれています。転職活動では一定の期間を設定し、その中で希望に合った転職先を選ぶことをおすすめします。
失敗事例2:実現したい働き方が曖昧であるため決めきれない
明確な目的がないまま求人を探し、面接は受けたものの、結局どこにも決められずタイムオーバーとなってしまった。
<現役コンサルタントが語る、転職成功のためのPOINT >
理想の働き方についての具体的なイメージがないと、面接に進んでも転職先を決められず時間切れになることがあります。「自身のキャリアビジョン」「ワークライフバランス」など転職によって実現したいことを明確にし、転職活動を進めていきましょう。
失敗事例3:年収や待遇を重視しすぎてしまう
「年収」や「待遇」など、好条件の求人にこだわり過ぎて、働き方や給与との折り合いがつかないまま転職活動をずるずると続けることに...。
<現役コンサルタントが語る、転職成功のためのPOINT >
もちろん「高年収」などの条件面は転職において重要なもの。しかし、本当にその条件だけが転職で叶えたいことなのかを今一度考えてみましょう。「高年収の求人」=「それなりの業務負荷がある」ことを考慮し、転職活動を行っていく必要があります。転職する目的と照らし合わせながら転職活動を進めていきましょう。
失敗事例4:退職・退局交渉が上手くいかない
条件に適った求人があるものの、職場や医局からの説得で、退職・退局交渉がうまくいかない場合や、引き止められて心情的に流されてしまったケースなど。
<現役コンサルタントが語る、転職成功のためのPOINT >
退職交渉では、実現したい転職先が見つかり内定をいただいたタイミングで、職場への退職・退局交渉に移ります。それ以前に退職の意思を伝えてしまうと引き留めやトラブルを招く恐れもあるので注意しましょう。上手く交渉できるか不安な方は、転職コンサルタントを活用して全面的にバックアップしてもらうのがおすすめです。
失敗事例5:条件をすべて叶えようとして早期離職に至る
すべての条件に適う職場を探し、次々に面接を受け転職するが、入職してから理想と現実のギャップを感じ早期退職となったケースなど。
<現役コンサルタントが語る、転職成功のためのPOINT >
転職における希望を聞いていくと、たくさんの希望が出てくるのは当然のことです。しかし、100%条件が整っている完璧な職場はほとんどありません。そのため希望に優先順位をつけ、条件に納得したうえで転職活動を進められるかがポイントになります。
医師が転職を成功させるためには
転職コンサルタントに聞いた、実際にあった医師の転職失敗事例について、いくつか例を紹介してきました。ここからは、これまでにご紹介した失敗事例やアドバイスをふまえ、転職を成功させるために大切なポイントについて解説します。
自分が求めている「条件」を明確にする
自分が今の職場で何に不満を感じているのか、なぜ転職が必要なのかを明確にしたうえで、転職先に求める条件を整理する必要があります。「とりあえず転職したい」という思いが先行してしまうと、入職後にギャップを感じて早期離職につながったり、転職先を決め切れずに迷い続けたりする原因にもなりかねません。
求める「条件」からブレないように注意する
自らの転職に求める条件を整理したものの、情報収集をしているうちに高給与求人に魅力を感じたりと、ブレが生じた場合には、改めて認識を持つことと、必要に応じて修正を行っていくことが大切です。目先だけの条件にとらわれず、自身の求める「条件」を常に意識して、納得できる転職先を見つけましょう。
退職・退局交渉はタイミングをみて行う
自らの置かれている状況を見極めずに転職活動をはじめてしまうと、内定後に退職・退局交渉がうまくいかずに残留となることも...。
もともと残留の選択肢も残したまま転職活動を行っていた場合は問題ありませんが、不満が多く転職の意思があるのに残留せざるを得なくなるのは避けたいところ。日頃から職場の状況を把握しておき、情報収集や転職活動をはじめるタイミングなども具体的にイメージしておくことが重要です。
転職活動のスケジュールをたてる
転職活動をする際は、情報収集から実際に転職活動をはじめる時期、退職のタイミングまでスケジュールをたてておくことも大切です。転職活動の期間を設定しておけば、長引く転職活動も防ぐことができます。
上手に転職コンサルタントを活用する
転職コンサルタントを活用することで、情報収集を効率的に行えるだけでなく、退職交渉のアドバイスや条件交渉など、転職における様々なサポートを受けることができます。
転職をするにも、これまで歩んできたキャリアや希望は一人ひとり異なるもの。転職コンサルタントは、そうした状況をヒアリングし、それぞれにあった的確なアドバイスをしてくれます。
「すぐではないが転職を考えている」「どうやって転職活動をすればいいのかわからない」といった悩みにも応じてくれるので、転職コンサルタントをうまく活用することもおすすめです。
ポイントをおさえ、納得した転職をしよう
転職の失敗事例には、勤務先との関係や自分が描いていたイメージとのギャップなど、様々なものがあります。納得できる転職をするためには、自分の状況や希望を整理したうえで転職活動を進めることが大切です。
近年、時代の変化にともなって働き方は多様化し、自分に合ったキャリアを描きやすくなりました。しかし、選択の幅が広がることにより、かえって迷うことも多くあります。
上手に転職コンサルタントを活用しながら、失敗事例から学んだポイントをおさえ転職を成功させましょう。