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医師の働き方には、選択肢がたくさんあります。内科や外科、小児科、眼科などの診療科の選択はもちろん、常勤医として働くのか、非常勤医として働くのか、医局に所属するのか、民間病院で働くのか、それとも開業するのか・・・。一言で医師と言っても働き方は様々です。それでは、医師が今までのキャリアを変更するとき、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか?
1:大学病院(医局)を離れるとき
現在では初期研修医が医局に所属する割合は6-7割ほどになったとされています。一昔前はほぼ100%だったことを考えると、非常にその割合は低くなっています。しかし大学病院などで教授職として教鞭を持つには、医局に所属する以外の道はありません。医師としてどのような存在になりたいかは人によって異なりますが、医局に所属しなければ叶えられない立場というものも存在します。
しかしすべての人が医局で望む立場を手に入れられるわけではありません。教授などの高い地位を得られる人はごく一部になります。たいていの場合、40歳前後で医局内での自分の立ち位置とどの程度出世できるかが分かってきます。大学病院での勤務は、市中病院と比べ給与水準が低いので目的を達成できないならば医局を離れようとする医師も多数存在します。
医局を離れて市中病院で働くとき気を付けなければいけないことは、大学病院と市中病院の働き方は大きく異なるということです。もちろん診療科や病院の忙しさにもよりますが、大学病院は医師数が充足していて、過重労働が生まれにくい環境になっています。対して市中病院の場合、営利を追求しなければいけないため、医師数に余裕がないことがほとんどです。労働時間は大学病院と比べて大きく増えることも考えられ、オンコールや当直も増えるかもしれません。
また、大学病院で勤務した経験というのはどの市中病院でも重宝されるため転職自体は有利です。しかし、大学病院出身者は市中病院で何らかの役職をもらうこともあり、人間関係が複雑になってしまうこともあります。
大学病院と市中病院は同じ病院というくくりではありますが、働き方が大きく異なるということに注意しなければいけません。全く異なる環境になるため、事前に入念な調査をしたうえで転職をするようにしましょう。
2:常勤医から非常勤医になるとき
医師特有の激務への疲れ、人間関係への不満、加齢による体力の衰えといった理由で、体力的な負担が大きい常勤医から非常勤にキャリアチェンジする人も一定数存在します。常勤医に比べて非常勤医は、時間的な余裕が作りやすいのが特徴です。オンコールや当直は、事前の労働契約でしないことを条件にすることもが可能です。また残業も起こりづらく、ワークライフバランスを取りやすいとも言えるでしょう。
年俸制、月給制から時間給制になりますが、医師の時給は高いため常勤医の頃よりも収入が上がることも多いです。こうしてメリットだけ述べると良いことづくめのようですが、非常勤医になったときに気を付けなければいけないのが将来への備えです。非常勤医をメインに働く時点で医師としての出世は望めにくく、同時にアルバイトという立ち場になるため、雇用が不安定にもなります。退職金を非常勤に出す病院はほぼ無いため、将来への備えをしっかりと着実におこなっていくべきでしょう。
3:違う診療科に転科するとき
外科など一部の診療科では技術が大切となるため、転科することが難しいです。しかし内科や眼科、皮膚科などの診療科は、他科から転科することが比較的容易です。ただし転科はほとんどの場合で、転職先での研修が必須になります。初めのうちは知識がないため戦力になりにくいためです。
異なる診療科に転科するときは、転職先の研修体制がどのようになっているか下調べをするようにしましょう。研修体制が十分でないと、不十分な知識のまま現場に駆り出されることになり、自分にとっても患者にとっても不安な状態となります。転科する意思をサポートする体制のある病院も数多くあるので、転職サイトなどで相談しながら慎重に進めましょう。
4:開業をするとき
開業は医師としての知識や経験だけではなく、経営者としての手腕も必要となります。どちらかというと経営者の手腕のほうが重要になるでしょう。どのような立地でどのような診療科のクリニックを開業すれば収益を取れるか、どの程度借り入れを行い何年で返していくか、看護師や医療事務などの採用はどうするかなど、医師として今まで働いてきた経験が一切役に立たない問題に直面することになります。
開業をするときは信頼できるコンサルタントを入れたほうがよいでしょう。医師としていくら技術があっても経営者としては初心者です。自分に足りないところは他から力を借りるのが経営の基本になります。
ドクタービジョン編集部
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