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非常勤としての働き方を求める医師は多く、とくにこの数年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行による人手不足を受けて、非常勤市場は買い手市場化が進んでいるともいわれています。
本記事では、非常勤医師の年収や非常勤で働くメリット・デメリットを解説します。
非常勤医師の分類と働き方
厚生労働省の定める医療法では、「病院で定めた医師の1週間の勤務時間が、32時間未満の場合は、32時間以上勤務している医師を常勤医師とし、その他は非常勤医師として常勤換算する。(医療法第25条第1項)」と定められています。つまり常勤医師と非常勤医師のボーダーラインは、1週間における勤務時間です。勤務時間が週に32時間以上であれば常勤医師となり、32時間未満であれば非常勤医師になります。
非常勤医師の働き方は、「定期非常勤」と「スポット」に分類されます。ここではそれぞれの違いについて解説します。
定期非常勤
定期非常勤は、「水曜午後」「土曜午前」「月曜当直」といったように毎週特定の曜日と時間帯に勤務する働き方のことで、求人内容は外来が最も多いです。一度決まれば長期間の雇用が見込めることから、安定した収入につながりやすくなります。また、勤務日時が固定のためほかの医療機関とかけもちしやすいのも、定期非常勤ならではの魅力といえるでしょう。
スポット
スポットは、雇用主となる医療機関の一時的な人手不足を補うため、突発的に発生する求人です。1日単位での契約が多いことから、いわゆる「単発アルバイト」に当たります。当直(夜間勤務)のほか、健康診断シーズンの問診、インフルエンザワクチンの予防接種の実施などはスポットに該当します。
非常勤医師の平均年収は?
人気が高いといわれている非常勤医師。ここでは年収や勤務時間などについて詳しくみていきましょう。
非常勤医師の平均年収
非常勤医師の平均日給は79,980円です(※)。地域別では、東北や関東、東海エリアが高い傾向にあります。勤務日数や時間、常勤先の有無などによって大きく差が出ますが、仮に毎週3日勤務する場合、月収は100万円前後となり、年収にすると1,100~1,200万円万円前後です。
全体的に医師不足は問題視されていますが、とくに医師不足が深刻な地域や病院の非常勤医師は給与が高い傾向で、これには2つの理由があります。1つは 必要な医師の数が足りていない病院では、非常勤医師であっても長時間労働が多い状況となってしまうため。
またもう1つは医師不足への解決策として、常勤医師を雇うより非常勤医師を雇う方が人件費の削減につながるためです。 さらに、医師不足のほかにも地域によって医師の数に大きな偏りがあるので、高齢者の割合が多い地域や患者さまの数が多く医師の数が少ない地域に関しては、非常勤医師の時給が高く設定されています。
診療科目や勤務する病院によって異なる
非常勤医師の相場はあくまで目安で、診療科目や病院によって大きく異なります。 たとえば診療科目については、診療報酬が高い科目は非常勤医師の時給も高いといわれています。麻酔科を筆頭に、整形外科や居宅への訪問診療の時給は高額なケースが多いといえるでしょう。
ここで気をつけたいのは、あくまでも非常勤医師は常勤医師がカバーしきれない業務を請け負う立場だということです。市場で出回る求人は半日勤務も多く、非常勤のみでスケジューリングして働くのは難易度が高いといえるでしょう。そのため、より収入を増やしたいと考えているなら、勤務日時や時間帯などの諸条件もしっかり吟味する必要があります。
※2021年9月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を算出しています
非常勤医師として働くメリットとデメリット
非常勤医師として働く際のメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット
時間単位あるいは日単位での勤務となるため、自分のペースで働きやすいことが非常勤最大のメリットといえます。たとえば子育てや介護など家の都合でフルタイム勤務は難しいものの診療現場から遠ざかりたくない、収入アップのため本業となる常勤とは別に働きたい、ストレスフルな職業であることから転身して精神的、身体的な負担を軽減したいなど、非常勤を希望する理由はそれぞれです。
また、複数の医療機関で働くと、それぞれの職場で人脈を広げられます。常勤先とは異なる環境で構築した関係性は、今後医師生活を送るうえで役立つかもしれません。
さらに、なかにはあえて非常勤医師として勤務することで、求人票からはわからない「現場のリアル」を把握したのち、その医療機関に常勤医師としての勤務を打診する医師もいます。
デメリット
常勤先をもっている医師が非常勤先を探す場合、まずは職場が副業を認めているか、兼業届の提出が必要か確認しましょう。
常勤先をもたず非常勤のみで働く場合はフリーランスの身であり、健康保険や年金といった社会保険はすべて自分で管理しなければなりません。また、確定申告も自分で取りまとめて書類作成・提出する必要があるので、事務的な手続きが増えることをあらかじめ把握しておきましょう。
診療面では、非常勤のみで働くと専門性を極めにくくなるといわれています。勤務時間と診療内容が限られるためですが、スキルアップを目指している方は注意が必要です。
また、常勤とかけもちすると休みが減ってしまうため、プライベートの時間を削ることになります。定期非常勤先は長い付き合いになる場合もあるので、ワークライフバランスを考慮して無理のない範囲で働くようにしましょう。
非常勤医師に向いている人
ここまで、非常勤医師の年収や働き方、メリットデメリットなどをお伝えしてきました。ここでは、それらを踏まえどのような人が非常勤医師に向いているかを解説します。
適応能力が高い人
まずは、適応能力の高い人です。職場ごとに環境や注意点が異なることを考えると、複数の仕事をかけもちする場合はとくに柔軟性に富んだ対応が必要になるためです。
自由度の高い働き方をしたい人
次に考えられるのは、自由度の高い働き方を希望する人です。常勤医師は週に32時間以上の勤務が求められ、診療科や職場によっては夜勤や待機などを交代で担うため、思ったように休みを取れない場合もしばしば。育児に専念したい、プライベート充実のためにもワークライフバランスを重視したい人は、非常勤医師を視野に入れてもよさそうです。
年収をアップさせたい人
とにかく年収をアップさせたい人も該当します。老後を考えた資産形成のため副業として非常勤に励む医師も多いです。
ほかにも、スキルアップを図るため非常勤医師として兼業する医師もいます。常勤先とは異なる領域での経験は、医師として大きな財産になるでしょう。
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非常勤はキャリアアップにもつながる
医師の世界にも、働き方改革とワークライフバランス形成を求める波が押し寄せています。
非常勤医師としての勤務は、収入アップだけでなく新たな人脈形成や、専門診療科以外の勉強につながる可能性も秘めています。非常勤医師ならではの立場を活用してキャリアアップの足掛かりにするのもよいかもしれません。
メリットとデメリットをしかり把握したうえで、自分のキャリアプランを見据えた選択をしましょう。
(非常勤)新着求人特集 (非常勤)高給与・高時給の求人特集ドクタービジョン編集部
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