10数年前と比べて医師の働き方は大きく変わりました。一番の変化は、必ずしも医局に所属する必要がなくなったことでしょう。一般の市中病院でも医師臨床研修が受けられることから、医局に所属しない若い医師が増えています。そのような状況を背景に、非常勤医が増えてきている現状があるのです。
では、非常勤医として働くメリットとは何でしょうか?非常勤医になりたいとき、非常勤医が別の病院に転職したいとき、どのように動くのが適切なのか解説します。
非常勤医として働くメリットとは?
まず始めに、高い給与水準がメリットと言えるでしょう。一般職種は非正規よりも正規の職員のほうが高給与です。しかし医師の場合は、常勤医よりも非常勤医のほうが高い給与が設定されています。
これは一例ですが、麻酔科の平均給与は40歳前後で1500万円から2000万円程度です。しかし40歳前後の麻酔科医が非常勤医として働くと、日給は10万円から15万円ほど。1日10万円、1か月の営業日が20日、それが12か月だと2400万円の収入となり常勤医の収入を超えます。1か月の営業日が20日を超える月も多いため、さらに収入は多くなるでしょう。
次に、時間的な自由度の高さもメリットです。非常勤医は定時上りが基本です。17時定時ならば、そこから大幅に残業が発生することは滅多にありません。次にきちんと交代できるように医師を配置することは病院の義務となります。また、当直やオンコールも最初の契約に入れなければ頼まれることはありません。
デメリットは、社会保障が薄いということが考えられるでしょう。年金は国民年金となるため、老後資金は自分で確保していかなければなりません。退職金がないのもその一因となるでしょう。また、専門医などの資格は維持が困難になり、権威という観点においては物足りなさを感じるかもしれません。
非常勤医になるには早めの準備を
非常勤医を募集している求人に応募することで、非常勤医として働けます。常勤医の入れ替わりがある4月に向けて、12月から翌年2月までは非常勤医の募集が多くなります。非常勤医の求人を探す場合、この時期を狙って探してみることで、よい求人が見つけられる可能性が高まるでしょう。
また、医師数が少ない地方は医師の需要も大きいため、地方のほうが給与水準は高くなる傾向にあります。関東圏で言えば、都内の非常勤医が日給8万円から10万円程度なのに対して、栃木や群馬などであれば日給10万円から12万円の求人もよく見かけられるようになります。
ちなみに、非常勤医募集は早急なニーズであるため、すぐに採用が決まってしまうことがあります。好条件求人はオープンしてすぐにクローズしてしまうことがあるのでご注意ください。非常勤医なりたいと考えている場合、なるべく早めの段階から転職コンサルタントに相談するようにしましょう。
非常勤医の求人が増え始める12月から転職活動を始めるのは、少し遅いかもしれません。なるべく半年前の6月くらいから相談をして、転職活動を開始するようにしましょう。とはいえ、突然新しい求人が出ることもあるので、コンサルタントとこまめに連絡を取ることをおすすめします。