【医師転職】内定辞退をするには|よくある質問と連絡方法を例文付きで解説

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公開日:2024.05.30

【医師転職】内定辞退をするには|よくある質問と連絡方法を例文付きで解説

【医師転職】内定辞退をするには|よくある質問と連絡方法を例文付きで解説

転職活動で内定を得たものの、様々な事情で内定を辞退しようと考えている医師の方もいるのではないでしょうか。 今回は医師が内定辞退をする際のよくある質問や、内定辞退を伝える方法を例文を使って紹介、また内定辞退を悩むケースと対策についても解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

医師が内定を辞退する主な理由

医師が転職先の内定通知がきた後に辞退する主な理由については以下の通りです。

  • 併願先でも内定を受け、そちらを受託する
  • 面接での面接官の対応に不信感を抱いた
  • 面接で話していた内容と採用条件が異なっている
  • 採用条件が希望と大きく異なっていたが転職面接に合格していた
  • 条件面の説明が不明確だった
  • 人事と現場の情報に相違があった
  • 家庭の事情で勤務できなくなった
  • 勤務先の医療機関から引き止めにあった

やむを得ない事情で辞退する場合もありますが、求人票には掲載されておらず、面接してから希望と相違していることが分かったなど、自己都合と呼ばれる理由で辞退を考えることもあるはずです。

もちろんご自身の希望と合わない点があれば辞退を考えるのは当然です。また、特に医師の方は非常勤勤務の選考が進んでいる際に「常勤の勤務先からNGが出てしまった」など意図せず断らなくてはいけないケースもございます。

臆することなく辞退を申し出て問題ありません。

内定辞退に関するよくある質問

内定辞退を考えた際に、その法的効力や申し出る期限などに不安を感じる方は多いのではないでしょうか。 内定辞退に関するよくある質問には、以下のようなものがあります。

  • 内定承諾後でも辞退は可能か
  • 内定辞退はいつまでに伝えるべきか
  • 辞退理由は伝える必要があるか

それぞれ詳しく解説していきます。

内定承諾後でも辞退は可能か

医師が面接に合格し、内定をもらった後の辞退についてでも医療機関側には法的拘束力はありません。

民法第627条に「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる」という規定もあり、仮に内定承諾書を提出した後であっても、辞退することは法律上可能です。

とはいえ、印象が悪くなってしまうことがありますので、内定承諾後に辞退する際は理由などと一緒にお詫びした方が無難です。

内定辞退はいつまでに伝えるべきか

では内定辞退を考えている場合、いつまでに伝えればよいのでしょうか。

同じく民法627条に「雇用の解雇申し入れから2週間が経過することで雇用が終了する」と規定されています。

つまり、勤務開始予定日の2週間前までに内定辞退の意思を伝えれば、内定承諾後であっても勤務開始日前に雇用が終了するため、法律上問題なく内定辞退をすることができます。

もし勤務開始日まで2週間を切ってしまってから辞退を申し出る場合は、雇用契約の終了が勤務開始日以降になるためトラブルになるリスクが考えられます。 万が一、2週間を切ってしまってから辞退を申し出たい場合は、転職支援サービスのコンサルタントに相談してみるのもいいでしょう。

辞退理由は伝える必要があるか

民法627条には「採用側はいかなる理由でも内定辞退を承諾しなければならない」との規定もあり、採用側は説得することはできますが辞退を拒否することはできないため、辞退を申し出る際に自分から理由を言う必要はありません。

もし理由を尋ねられた場合は「家庭の事情」や「併願していた医療機関に入職することになった」など一般的な回答でも問題ありません。 しかし一度内定を承諾した後に辞退を申し出る場合は、採用者に納得してもらえるよう誠実に対応することが大切です。

転職先へ内定辞退を伝える方法と例文

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内定辞退をする場合、先方の都合も考慮してできる限り早く、お詫びの言葉とともに連絡を入れましょう。 内定辞退を先方に伝える手段として、以下の方法があります。

  • 電話で連絡する
  • メールで連絡する
  • 転職サイトのコンサルタントから連絡する

それぞれ詳しくご説明します。

①電話で内定辞退の連絡をする

内定辞退の連絡は電話で行うのが一般的です。

メールの場合、相手が読んだのか分からない、誠意が伝わりにくいといったリスクや、一方的な伝え方として受け取られてしまう恐れもあります。 電話であれば自分の声で先方に直接内定のお礼と辞退のお詫びを伝えられることで、誠意も伝わりやすくなるでしょう。

電話で内定辞退をする際のポイントと例文

内定辞退をする際には、以下を伝えるようにしましょう。

  • 内定をいただいたことへの感謝
  • 内定辞退の申し入れと、聞かれた場合には辞退の理由
  • 面接日程の調整などに対する感謝

では実際に電話で内定辞退をする際の会話例をご紹介します。

【例:転職辞退する際の電話】

「お忙しいところ恐れ入ります。わたくし先日内定をいただきました〇〇と申します。採用担当の〇〇さまは、お手すきでしょうか?」

※採用担当者の方が不在の場合、電話窓口の方に用件を聞かれたとしても丁重にお断りし、採用担当者の方の都合のよい時間を伺った上で掛け直すようにしてください。

「お世話になります。先日内定をいただいた〇〇と申します。内定をいただいた件に関してなのですが、ただいまお時間よろしいでしょうか? 実は、誠に心苦しいのですが、内定を辞退させていただきたいと思い連絡いたしました。ご縁をいただいたにもかかわらず、このようなご連絡となってしまい申し訳ございません。」

ー理由を聞かれたらー

「実は併願していた別の医療機関からも内定をいただき、御院にも大変魅力を感じていたため非常に悩んだのですが、あらためて自分自身の適性などを考慮し、別の医療機関に入職することにいたしました。内定をいただいたにもかかわらず、このような結果となってしまい申し訳ございません。」

ー了承いただいたらー

「本来であれば直接お伺いしてお伝えしなければならないところ、電話での連絡となり申し訳ございませんでした。この度は採用に伴い貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。失礼いたします。」

②メールで内定辞退の連絡をする

内定辞退の連絡手段は電話が基本です。しかし、面接日程など先方とのやり取りが主にメールだった場合や、内定の連絡がメールで来た場合、内定承諾について後日メールで連絡することになっていた場合などは、メールで済ませられることもあります。 文面では直接言葉で伝えるよりも冷たい印象を与えてしまいがちなので、誠実さを意識した丁寧な文章を心がけましょう。

メールで内定辞退する際のポイントと例文

メールで内定辞退の連絡をする際は、件名に「内定辞退のご連絡」などの分かりやすい文言を入れ、本文には、主に以下の内容を記載します。

  • (文頭に)相手先の病院名や法人名、部署、担当者名
  • 内定をいただいたことへの感謝
  • 内定辞退の申し入れと辞退の理由
  • メールでの連絡を詫びる言葉
  • 先方の発展を祈る言葉

内定辞退の理由は詳しく記載する必要はありませんが、「辞退理由を今後の採用活動に活かしたい」と考えている担当者も多いため、先方を傷付けないよう配慮しながら、簡潔に伝えるのが望ましいです。 では実際にメールで内定辞退をする際の例文をご紹介します。

【例:転職辞退する際のメール文】

【件名】

内定辞退のご連絡/氏名

【本文】

〇〇病院 〇〇課 採用ご担当 〇〇さま お世話になっております。

内定のご連絡をいただきました〇〇です。 この度は内定をいただき、誠にありがとうございます。

大変恐縮ですが、内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。 あらためて自分自身の適性を踏まえ今後について考慮した結果、このような決断となりました。

面接をはじめ採用に伴い貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、このようなご連絡となってしまい心よりお詫び申し上げます。

本来であれば直接お詫びを申し上げるべきところ、メールでのご連絡となり大変申し訳ございません。 末筆ではございますが、貴院のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

③転職支援サービスのコンサルタントに依頼して内定辞退を伝える

直接先方へ断ることに抵抗がある方の対処方法として、転職支援サービスのコンサルタントに断ってもらう方法があります。

転職支援サービスは、「転職したい人」と「人材を探している医療機関」の間に立ち、双方の希望を叶えられるように支援するサービスです。

転職支援サービスのコンサルタントに依頼すると、応募書類の作成から面接日程の調整、そして条件交渉までをサポートしてもらえるほか、内定辞退時の連絡を代行してくれる場合もあります。 内定辞退の連絡はなるべく自分で伝えた方が印象が良い傾向にありますが、強引に条件交渉を持ちかけられるケースもあるので、そのような交渉を避けたい場合などはコンサルタントへの依頼も検討してみましょう。

医師が内定辞退を悩むケースと対策

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医師が転職先で内定の辞退を検討している場合、様々な悩みに直面するでしょう。 ここでは、内定辞退を悩むケースとその注意点をご紹介します。

他の医療機関の結果が出ていない

内定辞退の可能性があれば早急に申し出る必要がありますが、併願している医療機関の結果が出てから検討したいということもあるでしょう。

医療機関によっては内定の承諾を保留できる場合もあるため、じっくり考えて結論を出したいのであれば、内定承諾の保留を交渉してみるのも有効です。 一時的な感情で内定の辞退を決めてしまうと後悔することになりかねませんので、転職の目的を明確にして、納得のいく結論を出してください。

内定保留とは

内定保留とは、内定承諾を決定する期間を延ばしてもらうことで、現在働いている医療機関の退職が確定していない場合や、他の医療機関と併願しており、まだ結果が出ていないときの選択肢です。

ただし、内定保留を希望しても認められるとは限らず、内定を取り消される可能性もあるので慎重に検討し、本当に必要であれば時間がかかってしまう理由と共に採用担当者に相談しましょう。

内定を辞退した医療機関から引き止められた

内定辞退の連絡をした際に、医療機関から引き止められるケースはよくあります。勤務条件の向上が提示されると、気持ちに迷いが生じるかもしれません。

しかし、内定を断るのを一度決断したということは、理由があるはずです。気持ちに揺らぎのあるまま、内定を受けて後悔しないよう「なぜ転職をしようと思ったのか」「転職先の医療機関が自身の今後のキャリアにとって魅力となるか」などを整理して考え、内定を承諾する意思がない場合は、はっきりと断るようにしましょう。

誠意を持って辞退の意向を伝えよう

今回は、医師が内定辞退をする際のよくある質問や、内定辞退を伝える方法、内定辞退を悩むケースとその対策を紹介しました。 医師の転職は、今後の人生設計やキャリアアップにおいて重要な要素です。 転職活動の際には同時期に複数の医療機関の採用試験を受ける場合もあり、内定をもらった医療機関に内定辞退を申し出るケースは多々発生します。 今後のトラブルにならないよう、内定をいただいたことへの感謝とお詫びを誠意を持って伝えていただけたらと思います。 ご自身が納得のいく職場で働けるようベストを尽くしていただけたら幸いです。

ドクタービジョン編集部

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