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21歳のお子さんがアルバイトで給与収入を得ている場合、年間103万円を超えると税法上の扶養から外れます。月々9万円の給与収入を得ている場合、9万円×12か月=108万円となり、このケースに該当します。そのため、親の税額を計算する過程で扶養控除を適用できず、税額が増えます。
「103万円の壁」はパート主婦だけでなく、アルバイト学生も該当するかを判定するために意識すべき金額です。例えば医学生から人気のある塾講師や家庭教師のアルバイト等は時給が高いため、103万円を超えることは珍しくありません。アルバイトでどのくらい収入を得ているか、適宜親子で情報共有をしておくのが良いでしょう。
なお、12月31日時点の年齢が19歳以上23歳未満であり、親と生計を一にしているお子さんの合計所得金額が48万円以下の場合は、お子さん(特定扶養親族)1人につき所得税63万円と住民税45万円を所得から控除できます。年齢上、お子さんが大学に通う期間であり学費がかかることを考慮して、親の税負担を軽減するために一般扶養親族より控除額が高く設定されています。
では、学生のアルバイト収入が103万円を超えた場合に、親の税負担が年間いくら増えるかについてシミュレーションしてみましょう。
ケース1)所得税率33%の親の場合
所得税63万円×所得税率33%+住民税45万円×住民税率10%=25.29万円負担増
ケース2)所得税率40%の親の場合
所得税63万円×所得税率40%+住民税45万円×住民税率10%=29.7万円負担増
▼所得税の速算表(復興特別所得税を考慮せず)を参照国税庁『No.2260 所得税の税率』
所得税の税率は、所得によって人それぞれ超過累進税率で異なります。
例えば、所得税率33%の人であれば、所得税と住民税合わせて25.29万円負担が増えます(住民税の税率は一律10%)。収入が103万円超になると所得から特定扶養控除されないので、本来控除が受けられるはずの所得税63万円と住民税45万円にも税金がかかることになります。
この結果を見ると、親にとっては税負担が増えてしまい税制優遇を享受できないことが明白です。ただし、お子さんが103万円を大きく超過して稼ぐ優位性が見いだせるなら、親の増える税額分を正確に把握した上で見解のすり合わせをするのが良いでしょう。 労働の対価を得ながら社会貢献することは、お子さんの自立を促す効果があります。また、関心のある分野でアルバイトすることが、今後の人生に通じる価値の高い時間の使い方になることもあるでしょう。
しかし、給与収入130万円以上になると、健康保険上の扶養からも外れるため、お子さん自らが国民健康保険などに加入しなければならないことも覚えておきましょう。
重要POINT
- ・月々9万円×12か月で年108万円給与収入となるため、扶養控除は適用できない
- ・「103万円の壁」は、主婦のパートだけではなく子どものアルバイトにも存在する
- ・103万円を超えると扶養控除が受けられないほか、130万円以上になると健康保険の加入も必要になる
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