30代後半で年収1,500万円の医師が無理なく返済できる住宅ローンの金額は?

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公開日:2022.06.07

30代後半で年収1,500万円の医師が無理なく返済できる住宅ローンの金額は?

30代後半で年収1,500万円の医師が無理なく返済できる住宅ローンの金額は?

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    年収1,500万円の場合、無理なく返済できる住宅ローンはおよそ5,000万円です。この金額は、一般的な住居費予算である、手取り月額の25%以内の金額を目安に算出できます。金融庁が提供している「借金シミュレーター」でシミュレートしてみましょう。

    まず、年収1,500万円(扶養配偶者と小学生のお子さんがいるケース)の場合、手取り月額はおよそ90万円です。住居費は手取り月額25%以内を目安に予算を立てることが一般的であるため、ローン返済額のほか、固定資産税や修繕費・管理費等の諸経費も含めて月額20万円としましょう。

    固定資産税や修繕費・管理費を含めて住宅費が月額20万円を大幅に超えないようにローン返済額を試算(※)すると、以下が目安となります。

    住宅ローン借入額5,000万円
    年1.4%固定金利(仮)30年
    月額17万円元利均等返済

    (※)
    【入力内容】
    借金の種類:家
    借入金額:5,000万円
    返済手段・金利: 1.4%(仮)
    分割回数:360回
    ボーナス支払い金額:0円
    【シミュレーション結果】
    毎月返済額:17万円(合計返済額:61,276,252円)

    次に、住居費以外の消費支出(生活費)についてみていきましょう。総務省家計調査によると、年収1,250~1,500万円の世帯における消費支出は月額およそ51.3万円です。

    この調査によると、教育費・教養娯楽費の合計が10.6万円となっています。しかし、医師の方はお子さんの医学部進学を念頭に置いて、教育資金を備える傾向があります。そのため、大学進学に向けた準備貯金を含めると、お子さん1人につき月額20万円は確保しましょう。

    また住居費は1.7万円となっていますが、前述の通り、住居費は20万円と考えておいたほうが良いでしょう。

    したがって、年収1,500万円の医師の住居費・その他生活費等を含めた消費支出の総額は79万円(※)と想定できます。

    (※)
    51.3万円(家計調査の消費支出)ー10.6万円(家計調査の教育費・教養娯楽費合計)ー1.7万円(家計調査の住居費)+20万円(医師の教育費・教養娯楽費)+20万円(年収1,500万円の方の一般的な住居費)=79万円

    手取り月額90万円からこの79万円を除くと、11万円余ります。したがって、無理なく返済できる住宅ローンは5,000万円が妥当といえるでしょう。

    さらに、この11万円を老後資金として毎月貯蓄するように割り当てるようにすれば、生活に無理が生じないでしょう。

    なお、クリニックなどの開業を目指す場合は、住宅購入を後回しにするほうが良いかもしれません。自己資金を住宅購入頭金にあてることが開業資金調達に影響する、また、住宅ローンの残債によって開業資金の借り入れに制限が付くなどの懸念点があるからです。

    お子さんの教育方針・親からの贈与相続・転職・勤務状況などの事情によって、試算結果はもちろん異なります。その時々によって個別具体的に試算するのが良いでしょう

    重要POINT

    • ・住居費は手取り月額25%以内を目安に予算を立てることが一般的
    • ・開業を目指す場合、住宅購入は後回しにする方が良い
    • ・教育資金・親からの贈与・転職・勤務状況(常勤・非常勤)等に応じた個別具体的な試算が必要

    長沼 満美愛

    監修者:長沼 満美愛

    ファイナンシャルプランナーCFP(R)・1級FP技能士
    神戸女学院大学卒業後、損害保険会社に就職。積立・年金・介護など長期保険に特化した業務を担当。そのあと、FP協会相談室の相談員として従事。現在、大学・資格の学校TAC・オンスク.JPにて資格講座の講師として活動するかたわら、セミナー講師や執筆も手がける。『あてるFP技能士1級』(TAC出版)を執筆。毎日新聞「終活Q&A」・みずほ銀行WEBサイトコラム寄稿。毎日新聞生活の窓口相談員。塾講師・家庭教師の豊富な経験を活かして、「誰でも分かるセミナー講師」・「親身なFP個別相談」をめざす。

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