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2018年度からの新専門医制度で始まった「専門研修プログラム」。専門研修プログラムとは、専攻医を対象にした、専門医を目指すための研修です。基本領域の専門研修は3〜5年程度と長期で、また今後の医師のキャリアを築くうえでのベースとなる専門的かつ実践的な研修になるため、慎重に研修先を選ぶ必要があります。
今回は、専門研修プログラムの選び方から応募の流れまで詳しく解説します。
専門研修プログラムの概要
専門研修プログラムは、新専門医制度の発足で新たに設定された研修プログラムです。従来の専門医制度では各学会が独自に専門医認定を行っていました。しかし、各専門医(領域)間の質の不均衡が課題となっていました。そこで、各学会でなく日本専門医機構が各専門医を一元化して基準を統一することで、専門医の質の向上と良質な医療の提供の実現を目指しています。
19の基本領域
専門研修プログラムには以下の19の基本領域が定められています。新専門医制度では、基本領域と後述するサブスペシャルティの2層構造で医師の専門性を担保します。
上記の基本領域から専攻とする領域を1つ選び、研修施設で所定の研修プログラムを受講し専門医の取得を目指します。
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新専門医制度の基本領域19学会まとめ【初期研修医必読】
24のサブスペシャルティ領域
新専門医制度には19の基本領域に加え、既に認定を受けている23の領域学会が担当するサブスペシャルティ領域が定められました。新たに認定された24のサブスペシャルティ領域では、基本領域の専門性深化や、関連領域の専攻によって医師としての専門性向上が期待できます。
日本専門医機構で認定されている24のサブスペシャルリティ領域は次のとおりです。
<内科領域><外科領域>
<放射線科領域>
(※2021年9月現在)
認定された24領域以外にもサブスペシャルティの追加を要望する声があがっています。しかし、新専門医機構の理事会では「サブスペシャルティ領域の乱立を避けるべき」との意見もあり、2021年秋頃にはサブスペシャルティ領域の全体像を明確にすることが検討されています。そのうえで、24領域以外の認定を2022年度以降にスタートする予定です。
適切な専門研修プログラムを選ぶことの重要性
専門研修プログラム修了後は、専門医を取得し医師としてのキャリアを積んでいくこととなります。専門研修プログラムで学ぶ内容は今後の長い医師人生のベースとなり、また基本領域の研修期間は3〜5年間と長期間におよびます。そのため、後悔のない専門研修プログラムの選択が重要です。
基本領域の研修修了後にサブスペシャルティ領域の研修に進む際にも、原則として基本領域の専攻内容がサブスペシャルティ研修のベースとなります。そのため、旧専門医制度よりも早期に自身の進みたい方向性を定める必要があるでしょう。
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▼参考資料はコチラ
キャリア形成プログラムについて 厚生労働省
基本領域 専門研修プログラム 厚生労働省
専門研修プログラムを選ぶ際のポイント
今後の医師人生を左右するともいわれる専門研修プログラムの選択。後悔のないようにするには、どのような研修先を、どのような点に注意して選べばよいのでしょうか。
ある程度将来のキャリアを思い描いている方であれば、今後経験を積みたい疾患や術式などの症例数や病院の特徴をよく見ておくことをおすすめします。ロールモデルとなるような先輩医師が研修先の病院にいるか、研修後にどのような病院へ就職しているかなども確認しておくと、相談に乗ってもらいやすいでしょう。
医師は多忙といわれる職業ですが、近年では医師の働き方改革を進める病院も増えています。ワークライフバランスを重視する人は、病院内でどのような医師の働き方を実現しているのか、性別問わず活躍できる環境か、女性の場合は出産などライフステージの変化が訪れた際にも職場が協力的かなどを確認しておくと安心です。
そのほか、給与や当直回数、病院の規模、勤務エリア、専攻医の募集人数など、こだわりの条件があればあわせて確認しておきましょう。
専門研修プログラム応募の流れ
新専門医制度での専門研修プログラムは、どのような流れで進んでいくのでしょうか。ここでは、専門研修プログラム応募の流れについて見ていきます。
1.専攻医登録
日本専門医機構ホームページの専攻医登録ページ、または希望する専攻の学会ホームページより「専攻医登録サイト」にアクセスします。
アクセス後、専攻医基本情報として以下の自身の情報を入力します。
2.プログラム選択
専攻医登録サイトに研修プログラムの詳細などが掲載されます。内容をよく確認し、応募の判断材料として活用しましょう。
新専門医制度では、シーリング制度(採用数の上限設定)が設けられている診療科があります。希望する診療科がシーリング制度の対象かチェックすることも忘れないようにしましょう。
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「シーリング制度」とは?希望するキャリア形成のために知っておきたい制度のポイント
3.一次募集に応募
専攻医登録から応募締め切りまでは2週間程度あるので、その間に研修を希望する基幹施設の見学などを済ませておきましょう。そして一次募集の応募先を決めます。
応募は1領域の1プログラムのみで、複数応募はできません。また、初期研修のように第三者が入ってマッチングを行うケースもないため、専攻医自身で応募先を決める必要があります。
4.面接などの実施
応募後は、各プログラムの統括責任者からの案内に従って、面接などを受けます。
5.採用試験結果の通知
選考後、応募先から結果の通知がきます。
あらかじめ研修後のキャリアを描いておくことで後悔のない研修先を選べる
専門研修プログラムの研修先の選び方は、将来のキャリアを考えたうえで選ぶと後悔が少なくなるでしょう。可能であれば研修先の見学時に、その病院の先輩医師に話を聞いてみると、リアルな声を聞くことができます。
「なりたい医師像」が決まっているのであれば、病院の規模や症例数、研修先の医師がどのようなキャリアを進んでいるかなど、多方面からチェックして選んでいきましょう。
ドクタービジョン編集部
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