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リハビリテーション科医は運動障害や認知障害を横断的かつ総合的に診療する知識と経験を有し、保健から医療、福祉の分野を広くカバーしています。多職種連携の要として、欠かせない存在だと言えるでしょう。
今回は、リハビリテーション科医の平均年収と主な仕事内容、今後の動向についてご紹介します。
リハビリテーション科医の平均年収
リハビリテーション科医の平均年収は1,560万円です。全診療科における医師の平均年収である1,596万円と近い結果となりました(※1)。とくにリハビリテーション科医の平均年収が高いのは、秋田県で2,150万円。京都府、愛媛県、高知県、徳島県が同額の1,950万円で続きます。
上記以外の平均年収を大きく上回る地域をみると、大阪府の1,821万円、福島県の1,750万円、奈良県の1,733万円、岡山県と北海道の1,725万円、群馬県の1,700万円などがあります。人口が集中している都市部と比較して地方の平均年収が高くなる傾向は、ほかの診療科と変わらないようです。
※1.2020年10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を算出しています
リハビリテーション科医として働く医師の分布状況は、厚生労働省『平成30(2018)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』に詳細が記されています。
リハビリテーション科を主たる診療科として医療機関に従事する医師の数は2,705人でした(2018年末時点)。
医療機関別に見ると、病院に勤務するリハビリテーション科医の総数は2,552人。これに対して診療所に勤務する医師の総数は153人。このことから、リハビリテーション科医の9割以上は、病院で活躍していることがわかります。
また、リハビリテーション科医の平均年齢は54.2歳。医療施設に従事する医師全体の平均年齢49.9歳と比較すると大きく上回っており、高齢化が進んでいる印象です。
リハビリテーション科医の仕事内容・働き方
リハビリテーション科では、外来もしくは入院中の患者さまを診察し、現状の身体機能の評価、現状の日常生活動作(ADL)、医学的リスク、ADLの変化の予測などを行いながら、リハビリテーション計画を立案して実施します。
外来に加えて、医師から依頼を受けて他診療科の患者さまを診る機会が多いことも、リハビリテーション科の業務の特徴としてあげられます。医療機関によっては、救急対応、急性期の全身管理なども担うことがあるようです。
こうした内容からリハビリテーション科は、内科・外科を問わず疾患に対する知見が求められる診療科であることがわかります。
リハビリテーション
リハビリテーションは、病気や怪我による身体機能障害を改善して、社会復帰を図るための治療および訓練です。たとえば脳卒中や狭心症など急性期疾患を発症して治療を受けた患者さまでも、重症度や身体の状態によって必要な治療とリハビリテーションは変わってきます。
身体機能や合併症など患者さまご本人の身体的な問題だけでなく、社会生活を送る上で周囲からどの程度のサポートが見込めるのかといった点も差が生じる要素です。リハビリテーション計画を立案する際は、患者さまとご家族の要望や悩みに耳を傾け、退院後から社会復帰までのビジョンを描きつつ、状況の変化に応じて柔軟に対応することが求められます。
それでは、リハビリテーションの効果を最大限発揮して、患者さまのQOL(生活の質)を向上させるためにはどうしたら良いのでしょうか。そのカギとなるのが「多職種連携」です。
多職種連携とは、異なる専門性を有するスタッフがチームで患者さまへの治療を実施すること。リハビリテーション科では、医師と看護師以外にも、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士などコメディカル(医療従事者)が活躍しています。彼らとともにカンファレンスを実施し、多角的な視点で患者さまを診断し、専門知識に基づいたアプローチをすることも、リハビリテーション科医に求められる役割なのです。
リハビリテーション科医は不足している?
最近では、健康寿命の延伸やQOL向上を重視する考え方が広がってきました。また「術前リハビリテーションが術後合併症を減らす」といった研究報告がなされたことで、入院期間の短縮と早期の社会復帰の観点からもリハビリテーションに注目が集まっています。
リハビリテーション科に対するニーズは、年々高まりをみせています。しかし、リハビリテーション科医の不足に頭を抱えている医療機関は多いようです。日本医師会総合政策研究機構『日本医師会 病院における必要医師数調査結果』を見ると、必要医師数倍率が継続して高い診療科としてリハビリテーション科があげられています。 とくに急性期と慢性期病床を有する医療機関でリハビリテーション科医が不足しているとのことでした。
前述の通り、リハビリテーション科医の平均年齢は54.2歳。リハビリテーション科の医師全体の年齢の構成比を見ると、70代以上330人、60代586人、50代727人、40代663人、30代332人、20代にいたっては67人と、年齢が若くなるにつれて医師数が減少しています。リハビリテーション科医が、今後さらに不足するのは明らかでしょう。
リハビリテーション科医が不足する原因として、リハビリテーション科に対するイメージを指摘する声もあります。リハビリテーションは採算が取れず、他診療科の移籍希望者の受け皿に過ぎないマイナーな診療科だというイメージをもたれる傾向にありました。中堅や若手が少ないため、年次の近い先輩医師との接点をもちにくい点もリハビリテーション科を専攻する医師が少ない要因の一つかもしれません。
今後のリハビリテーション科医の需要と動向
医療費削減やQOLの向上など社会的なニーズの高まりを受けて、リハビリテーション科の需要は今後さらに高まってくるでしょう。
2018年に開始した新専門医制度でも、リハビリテーションは基本領域の一つとして扱われています。最近では、脳神経外科や整形外科など、リハビリテーションとの接点が多い診療科から転科してくる医師も増えているようです。
リハビリテーション科への転科を検討するなら、「得意領域」と「実績」、「チームのマネジメント経験」について整理しておくことをおすすめします。また、リハビリテーション専門医の資格を取得していると、強いアピールポイントになります。資格取得を目指している方はその熱意を伝えても良いでしょう。
転職時に確認したいポイントとしては、症例数と主な領域、担当業務と領域など。リハビリテーション科ならではのチェックポイントとしては、他診療科から転科可能か、施設や患者さまの自宅への訪問リハビリテーションの有無などがあります。
将来性の高い診療科で多角的な活躍を
患者さまのQOLを上げるため、医師以外のコメディカルと検討しながら施術を行うリハビリテーション科。高齢化や医療政策などの影響もあり、需要は今後もさらに高まっていくでしょう。
リハビリテーション科への転職を検討している方は、患者さまの回復と社会復帰に対してどのように貢献できるのか考えてみましょう。
ドクタービジョン編集部
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