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全人類を生命の脅威に陥れる「がん」の2/3は消化器(胃・大腸・肝臓・すい臓・胆道)が占めていると言われます。そうした病を専門に診療するのが消化器内科医です。
この記事では、消化器内科医の年収や仕事内容、働き方、転職時のポイントなどについてご紹介します。
消化器内科医の平均年収
消化器内科医の平均年収は1,607万円です(※)。このうち、長崎県の1,600万円が平均年収にもっとも近く、最高値は福島県の2,095万円。その差は約500万円にものぼります。
この背景として、地方は医師不足が進行していて医師の需要が高いため、給与に好条件を提示する場合が多いと考えられます。
※2020年10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を出しています
診療科別の平均年収比較
消化器内科医の平均年収を、治療領域が似ている診療科の医師の平均年収と比較してみると、消化器外科医の平均年収は1,577万円、循環器内科医は1,609万円、呼吸器内科医は1,597万円という結果になっています(※)。
※2020年10月時点のドクタービジョン掲載求人をもとに平均値を算出しています
生命を脅かす危険性が高ければ高い病気ほど医療費も高くなり、医師の給与に反映されるということでしょう。
また、近年では、悪心・嘔吐・便秘など、直接生命には関わらない症状で消化器内科を訪れる患者さまも多くおられます。そうした需要も含めて、消化器内科医の重要性が高まり、給与を押し上げています。
消化器内科医の仕事内容・働き方
消化器内科医は、胃・食道・十二指腸・小腸・大腸・直腸などの下部消化器官をはじめ、肝臓・胆のう・胆管・すい臓などの治療を行います。その検査法も、胃カメラ・大腸カメラ・腹部超音波検査・経皮的治療・カテーテル治療など多岐に渡ります。
検査をして異常が発覚した時には、症状に応じて薬を処方し、経過を観察します。
消化器内科医が担当する具体的な検査・治療として、下記があげられます。
消化器内科のやりがいは?
消化器内科医は、患者さまの診断から治療、予防にまで携われるのがやりがいのひとつとしてあげられます。消化器内科医による病の早期発見により、救われる命、救われた命も数多く存在します。
類似される診療科として、内科と胃腸科があげられます。前者は薬による治療を専門的に行う診療科です。後者は主に胃と大腸を専門としています。消化器内科は、診断から予防まで幅広い治療が可能だとわかります。
また、消化器内科医は、一定のスキルを積めば、常勤、定期非常勤、単発アルバイトなど、働き方の自由度が高い傾向にあります。
病棟など入院患者数が多い職場であれば、ハードワークながらやりがいをもって働けるでしょう。一方、外来のみの業務であれば、残業などもほとんど発生しないためワークライフバランスを保てます。
とくに消化器内科の分野では、消化器内視鏡など他国よりも日本が先導しているものが数多く、そうした最先端の技術に現場で触れられるという点も消化器内科医のメリットです。
転職時のチェックポイント
厚生労働省の「必要医師数実態調査」によると、消化器内科医の求人倍率は1.14倍であり、ほかの診療科と比較しても一般的な水準です。ただし、近年はがんの早期発見に尽力している医療機関も多く、消化器内科医の需要はさらに高まっています。
がんに関わらず、急性胃炎や急性腸炎など、緊急性が高い疾患への対応を求める声が多く、今後も消化器内科医の需要は安定してあると考えられます。消化器系におけるがんの死亡率が高い点もふまえると、消化器内科医は将来性も十分にあり、社会貢献性が高い仕事だと言えるでしょう。
より好条件で転職を検討するのであれば、内視鏡検査の実績やスキルを積んでおくことが重要です。また、消化器内科医が不足している地域への転職ニーズは高く、高収入への鍵となるでしょう。
また、医療に特化した転職コンサルタントを活用するという手もあります。転職コンサルタントは医師年数、診療科、スキル、勤務条件などから、能力やキャリアに見合った職場を紹介します。非公開求人も取り扱っているため、好条件な求人に出会える可能性が高いです。
面接の日程調整や条件面での交渉などもコンサルタントが担当しますので、日常業務が忙しくても効率良く転職活動を進めることができます。
なお、消化器内科に転職するには、内科医と同様の資格で問題ありません。
今後も需要が高まる消化器内科
先述のとおり、がんの早期発見や緊急性が高い疾患への需要が高まっているため、消化器内科は安定して仕事がある診療科だと言えます。
もちろん給与だけでなく、自分のスキルが生かせる職場かどうか、ワークライフバランスを保てるかどうかなど、転職を検討する際に大切にしたい条件を考え、 希望に合った勤務先を選ぶようにしましょう。
ドクタービジョン編集部
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